先日インドネシアにて、日系企業等にヒアリングを行った。各社ともインドネシアの安定的な経済成長力、中間層人口の厚み、旺盛な消費意欲など様々な面において、同国市場の大きなポテンシャルを目の当たりにし、今後も積極的な事業拡大を模索している様子であった。 一方で、現状ビジネス上の困難を感じている点として、同国の法制度が非常に難解であることを筆頭に挙げる企業が多くみられた。ここではインドネシアの法体系の特徴を簡単に説明するとともに、ヒアリングをもとに具体的な事例を挙げ、日系企業が進出する際に注意すべき点について考察する。 インドネシアの最高法規は憲法であり、その下位法令として、国民協議会令、法律・法律に準ずる政令、政令、大統領令、地方自治体令等の順に序列を成している(図表1)。また、これらの法令の施行規則として、国民議会、最高裁判所、会計検査院、インドネシア銀行(中央銀行)、省庁などの諸機関が「規定