米ニューヨークを拠点に活動する現代美術家の篠原有司男さん(85)。1950年代末から一貫して前衛的なパフォーマンスや絵画・彫刻を手掛け、今や美術界の「生きる伝説」になった感がある。疾走感がある極彩色のオートバイ彫刻、浮世絵とポップ絵画を掛け合わせた「花魁(おいらん)シリーズ」など代表作は多いが、代名詞的存在が現在も続けるパワフルなボクシング・ペインティングだ。「早く美しくリズミカルであれ」がモットーの創作の源流をたどった。 「一番大切なのは考えないこと。とにかくぶっとばす」。東京・東品川のギャラリー、山本現代で開いた日本で約10年ぶりの個展。詰めかけた約80人の観客に篠原さんは語りかけた。