――久野先生は、遺伝子組み換えという技術は必要ないという立場だ。 この技術の話は、食べて安全かどうかだけではなく、環境にどういう影響をおよぼすのか、社会経済学的な側面からどうなのか、それぞれきちんと見る必要があると思う。 技術開発を頭から否定するつもりはないが、そもそも論からいえばこの技術は必要ないのではないか。もちろん干ばつに強い、冷害に強いなど夢物語はたくさんある。そんな作物が開発されればそれはいい。誰も反対しないと思う。ただ実用化にはまだ程遠いし、ほかのやり方がないわけでもない。それでも農業生産者にメリットがあるならばいいじゃないかと言われるが、そこでも疑問が出ている。世界の食糧安全保障に役立つという主張もあるが、これも疑問が出ている。 農業に必要なのは品種だけでない 世界中の人口を養ってあまりあるだけの食糧は十分にある。かなりの部分は家畜の餌になっているし、捨てられているものもある
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