当たり前のことです。会社組織というものは「理の世界」です。そこに「情の世界」である家庭や友人関係の感情を持ち込んでしまっては、会社は成長しない。そのことに思い至ったのです。 最初、社員からの抵抗がありました。しかし、先ほどの「なぜ、肩書で呼ぶ必要があるのか。それは、偉いから肩書で呼ぶのではない。責任追及のために肩書で呼ぶのだ」という話を繰り返ししていくうちに、社員はごく自然に「肩書」で呼び合うようになり、そして結果として、業績は、みるみる上昇を続けました。あれよあれよと、私自身が驚くほどに伸び続け、ついには34年間で250億円の売り上げ、利益率もおおむね8%を確保し続けました。 むろん、成長発展のためにさまざまな「情の要素」もふんだんに取り入れ、手を打ちました。ですから、「さん付け」をやめたことだけが「発展の要因」とはいえません。しかし、少なくとも「責任感なき組織」から「責任感ある組織」に