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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (34)

  • 警官と市民の間に根深い不信が横たわるアメリカ社会の絶望

    <21世紀のハードボイルドの主人公は、絶望した人々に囲まれてまっとうに生きようとするシングルマザー> 5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで、黒人男性のジョージ・フロイドが白人警官に喉を押さえつけられて死亡する事件があった。地面に押さえつけられたフロイドが「息ができない」と訴え、周囲の目撃者たちも「もう動いていない。やめなさい」と抗議しているのに押さえつづけた動画がインターネットで広まった。 その後起こった抗議デモは、当初は平和的なものだったが、過激化して放火や略奪などの暴動にエスカレートした。フロイドを押さえつけた警官は逮捕・起訴されたが、5月30日現在でも暴動は収まっておらず、州知事は白人優越主義団体や麻薬組織などの部外者が暴力に関わっている可能性があることを語った。 日に住む日人には、ミネアポリスの暴動を理解するのは難しいと思う。これは、独立したひとつの事件ではなく、アメリカ独自の

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    solailo 2020/12/03
  • ニューヨークと東京では「医療崩壊」の実態が全く違う

    <感染患者にも非感染患者にも十分な対応ができなかったニューヨークの「医療崩壊」と比べれば、東京の医療体制は十分に「持ちこたえた」と言えるはずだが......> 新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた米ニューヨーク州、ニュージャージー州では、5月に入って感染の勢いが明らかに沈静化してきました。それでも、まだ一日ごとの死亡者数は両州ともに200人弱という水準で、日々の定例会見ではクオモ知事もマーフィー知事も厳粛な姿勢で数字を発表しています。 ただ、両州ともに新規入院患者数はピーク時と比較して大きく減り、それとともに臨戦態勢を敷いていたコロナ病床については撤収が進んでいます。例えば、ハドソン川の桟橋に停泊して治療に当たっていた米海軍の病院船「コンフォート号」は4月30日に任務を終了しました。 また、陸軍工兵部隊が突貫工事で臨時病院に仕立て上げた会議場の「ジャビッツセンター」の病床利用も、宗教系

    ニューヨークと東京では「医療崩壊」の実態が全く違う
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    solailo 2020/05/15
  • 優等生シンガポールの感染者数が「東南アジア最悪」に転じた理由

    <大規模な濃厚接触者の追跡など、新型コロナ対策の手とされてきたシンガポールの感染者数が東南アジア最多に。新規感染者の多くは、当局が無視してきた外国人出稼ぎ労働者だ> 東アジアと東南アジアの一部の国は3月まで、新型コロナウイルス対策の手と見なされていた。特にシンガポールと台湾は、パンデミック(世界的な大流行)の震源地だった中国と経済的・地理的・文化的に深いつながりがありながら、新型コロナの感染爆発をうまく防いでいた。 いくつかの国はその後も健闘中だ。台湾で確認された感染者数は4月25日時点で、わずか429人。ロックダウン(都市封鎖)も回避している。3月初旬に感染率が危険なレベルに達していた韓国でも、ウイルスの抑え込みに成功した。 だがシンガポールでは、3月23日には510人未満だった感染者数が現在は1万2000人を突破。東南アジアで最悪の数字を記録している。 当局は大規模な濃厚接触者の追

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    solailo 2020/04/28
  • 韓国の大学がとった新型コロナ対策で起きた混乱

    韓国では3月初めから新学年が始まる。新型コロナウイルスの影響で新学期開始が延期となり「オンライン講義」に。突然のスタートに混乱もみられた......> 韓国の新年度は通常3月に始まる。小学校から大学まで日よりも1ヵ月早い3月の初めから新学年での学期が始まる。だが、新型コロナウイルスが猛威を振るう今年は例年とは事情が異なっている。 韓国では1月末から患者数が急増の気配をみせはじめると教育部は小中学校の新学期の開始を2週間延期し3月16日から授業を開始することを決め、大学については、3月16日から授業を開始するが2週間は「オンライン講義」によって講義を行うという指針を定めた。 一見すると合理的で有効な政策に見えるが、この指針によって韓国の大学は大混乱に陥っている。大きな理由の一つはあまりにも唐突な決定であったため、ほとんどの大学で動画講義を準備する時間的、経済的余裕が全くといっていいほどな

    韓国の大学がとった新型コロナ対策で起きた混乱
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    solailo 2020/03/22
  • 「米イラン危機」にイラン出身の私がコメントする難しさ

    報道機関の中には、あおりながら強引に発言を引き出そうとする人もいた HISAKO KAWASAKI-NEWSWEEK JAPAN <繊細で複雑な問題について、誤解を避けるために語ることはしなかった......正しい対応だったのかは分からないが、悩み抜いた末に得られた教訓もあった> 皆さんご存じのように、昨年末からキナくさい雰囲気だった中東で新年早々に事態が急変した。アメリカがイランのガセム・ソレイマニ革命防衛隊司令官を襲撃し殺害、イランは素早く報復攻撃──。世界が緊迫した。私がこの原稿を書いている時点では、報復攻撃に対するアメリカ側の声明により、ひとまず双方手打ち、一段落という状態。出自がイランの日人の私も一安心である。 言っても詮無いことだが、イランで生まれたという出自は、私が日人になっても一生付いてくる。このたびのアメリカとイランの一触即発の事態を受け、複数の報道機関から取材のアプ

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    solailo 2020/02/02
  • なぜ今になって英語の民間試験導入に反発が出ているのか?

    <この段階で不安や反発が出るのは、英語教育の改革が全く間に合っていないから> 2020年度から変わる大学入試で英語民間試験が導入されることに、今になって現場の高校や大学教員などから「不安だ」とか「中止せよ」という声が上がっています。確かに、批判する側の指摘も分からないではありません。ですが、色々な事情が重なった結果として、現状のような計画になったのは事実ですし、十分な周知期間があったわけですから、いまさら元に戻すことはできないと思います。 この民間試験導入ですが、個人的には以下のような経緯だったと理解しています。 サイエンスと経済を中心に、学問の世界もビジネスの世界も英語が事実上の共通語となっています。そんな時代に、いつまでも翻訳メソッド+文法メソッドという「言語ではない暗号解読」のスキルに貴重な十代の時間を浪費させては、個人の人生も国家レベルの経済も破滅します。ですから、読み書きだけでな

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    solailo 2019/10/26
  • 韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわかっていない

    文在寅が野に下れば韓国はより親日的になる、というのは日の勘違い(9月18日、ソウルの青瓦台にて) 写真提供:韓国大統領府 <最近韓国で行われたシンポジウムで、南北統一という来の主題そっちのけで安倍政権下ろしの大合唱が起こった。度を越しているが、なぜこんなことになったのか> 「そういう話が聞きたいんじゃないです。どうしてもっと違う人を呼んでくれなかったんですか」 ──異様な光景だったと言って良いであろう。 先月末、招待されて韓国の国際シンポジウムに参加した。シンポジウムの名前は「DMZフォーラム」。北朝鮮韓国の間を走るDMZ、つまり非武装地帯のある韓国の自治体、京畿道が主催する大規模国際シンポジウムだった。名称そのものが示唆している様に、シンポジウムの主題は朝鮮半島の統一問題であった。この自治体、京畿道の知事は前回2017年の大統領選挙で与党「共に民主党」の候補者の座を争った李在明。だ

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    solailo 2019/10/19
  • 今の韓国との関係は45年前の危機に比べればまだコントロール可能

    <金大中拉致から朴正煕暗殺未遂へと続いた流れで対日不信が高まった、74年当時の日韓関係を振り返って見ると......> 日韓関係が悪化しています。日韓国の多くのメディアは、日韓関係は最悪だという表現をしていますが、私は少し違うと思います。45年前の1974年に日韓が陥った状況は、この程度のものではありませんでした。 今回の危機は、いわゆる戦後補償の請求権の問題に始まり、それが貿易手続きの問題、さらには安全保障の問題と論点が重なってきています。その点だけ見れば、関係の悪化が深まっているように思われますが、74年の場合は違います。論点が重なったのではなく、関係を悪化させる事件が3つ重なり、そのために両国関係が完全に立ち往生したというのが74年の状況でした。 事件の1つ目は、その前年、1973年8月8日に発生した金大中事件でした。後に韓国大統領となって通貨危機を収拾することになる金大中は、こ

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    solailo 2019/08/30
  • 韓国と日本で「慰安婦問題」への政府の対応が変化していった理由

    慰安婦問題について記者会見を行う韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相(2018年) JUNG Yeon-Je-Pool- REUTERS <90年代に入り、慰安婦問題が日韓国、世界で大きな意味を持つようになった背景には何があるのか。キャロル・グラック教授が米コロンビア大学の学生たちとの対話を通してあぶり出す> 日近現代史を専門とする米コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)。新著『戦争の記憶 コロンビア大学特別講義―学生との対話―』(講談社現代新書)には、グラック教授がコロンビア大学で多様な学生たちと「戦争の記憶」について対話をした全4回の講義と、書きおろしコラムが収録されている。 書の元となったのはニューズウィーク日版の企画で、学生たちとの対話は2017年11月から2018年2月にかけ、ニューヨークの同大学にて行われた。誌では「戦争の物語」「戦争の記憶」「『慰安婦』の

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    solailo 2019/08/08
  • 日本人は「政治に興味ない」「専門的に生きている」──外国人のお笑い座談会より

    <ハーバード大卒お笑い芸人のパックンが、周来友、チャド・マレーン、ナジーブ・エルカシュの3氏を呼んで「日と世界のお笑い」を大研究。日のお笑いに「政治」がない理由が見えてきた> 外国と日のユーモアはどう違うのか? なぜ日には政治をネタにしたお笑いがないのか? 8月6日発売のニューズウィーク日版「パックンのお笑い国際情勢入門」特集(8月13&20日号)で、「世界の政治を題材に日の読者を笑わせる」という難題に挑んだパックン(パトリック・ハーラン)が3人の在日外国人と激論した。 座談会に集まったのは、中国人のジャーナリストで実業家、タレントでもある周来友(しゅう・らいゆう)さん(56)。吉興業所属のお笑い芸人で、『世にも奇妙なニッポンのお笑い』(NHK出版新書)の著書もあるオーストラリア出身のチャド・マレーンさん(39)。そして、ダジャレ好きなシリア人ジャーナリスト、ナジーブ・エルカ

    日本人は「政治に興味ない」「専門的に生きている」──外国人のお笑い座談会より
  • 「ルーク」と名付けられた最先端の義手が開発される......意のままに動き、触覚もある

    ルーク・スカイウォーカーにちなんで名付けられた最先端の義手 Mobius Bionics-University of Utah <ユーザーの意のままに動き、触覚もある最先端の義手「LUKEアーム」が米ユタ大学の研究チームによって開発された......> ヒトの手の触知覚のメカニズムを模倣した最先端の義手「LUKEアーム」が米ユタ大学の研究チームによって開発された。ユーザーの意のままに動き、触覚もあるのが特徴だ。2019年7月24日、学術雑誌「サイエンス・ロボティックス」において研究成果をまとめた論文が公開された。 University of Utah researchers develop LUKE Arm-University of Utah 「LUKEアーム」とユーザーの神経をつなぐ 義手をよく機能させるためには触覚が必要だ。缶詰、卵、ブドウなど、物の形態によって、握ったり、持ち上げた

    「ルーク」と名付けられた最先端の義手が開発される......意のままに動き、触覚もある
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    solailo 2019/07/31
  • デーブ・スペクター「吉本」「日本の芸能事務所」「テレビ局との癒着」を全て語る

    <吉興業が揺れているが、これは吉だけの問題ではない。日米の芸能事務所の違いにも詳しいデーブ・スペクターに独占インタビューした。「日テレビが面白くないのは、素人が多過ぎるから」そして「今は、日の芸能界を変える最後のチャンス」> 日最強のお笑い系芸能事務所である吉興業が揺れている。「闇営業」問題をメディアで報じられ、会社から沈黙を命じられた芸人の宮迫博之と田村亮が先週、突然反論の記者会見を実施。会社上層部から圧力の存在を明かした。 問題は闇営業を超え、社長の発言から垣間見える芸人へのパワハラや所属事務所側の「搾取」、契約書の不在など拡散している。これは吉興業、あるいは日の芸能界特有の問題なのか。日社会全体の問題ではないのか。 米ABCテレビの元プロデューサーで、子役としてアメリカで活躍した経験も持つタレントのデーブ・スペクターに誌・小暮聡子が聞いた。 ――今、吉興業とい

    デーブ・スペクター「吉本」「日本の芸能事務所」「テレビ局との癒着」を全て語る
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    solailo 2019/07/26
  • 米中の相互不信を生んだ対照的な交渉スタイル

    中国の手のひら返しに米政府は怒るが、そもそも交渉のスタイルが懸け離れている> 米政府に言わせれば、米中貿易交渉が事実上決裂したのは、中国が土壇場になって手のひら返しをしたからだ。 既に合意に達していた事柄まで白紙に戻した中国に怒って、ドナルド・トランプ米大統領は2000億ドル相当の中国製品の関税を25%に引き上げた。中国の交渉チームを率いた劉鶴(リウ・ホー)副首相は最終合意に達していないのだから、修正を求めても約束を破ったことにはならないと主張していたが、米側はこの言い分を認めそうにない。 合意が吹き飛んでしまった今、米中が落としどころを見いだすのは不可能にみえる。 打開策はあるのか。決裂の直接的な原因はさておき、交渉の規範とスタイルの違いが相互不信を招いたとみていい。 筆者はこの10年ほど、コロンビア大学経営大学院で修士課程の授業を担当し、アメリカ人学生と中国人学生の2つのチームに模擬

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    solailo 2019/05/29
  • 「本当の自分」を見てほしいのに、そうはいかない美人の辛さ

    <「Wi‒Fiの原型」を開発したヘディ・ラマーの喜びと苦悩にフィクションを織り交ぜた小説が光を当てる> 一見したところ、2人の女性に大きな共通点はなさそうに見える。ミレバ・マリッチは天才物理学者アルバート・アインシュタインの最初ので、物静かで、自らも優秀な物理学者。ヘディ・ラマーはハリウッド黄金時代に「世界一の美女」とうたわれたことがある女優だ。 だが、2人を主人公にした小説を書いたマリー・ベネディクトによると、マリッチとラマーの間には明確な共通点がある。それは不屈の精神と、周囲が押し付ける型にはまらない強い意志、そして「影の立役者」という、現代も多くの女性が(意図せず)陥りがちな役回りだ。 弁護士から作家に転じたベネディクトは、16年にマリッチの生涯をベースにした『ジ・アザー・アインシュタイン』を、そして今年1月にラマーを主人公にした『ジ・オンリー・ウーマン・イン・ザ・ルーム』を発表し

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    solailo 2019/03/05
  • 「自分はゴミだと信じていた」里子が、グラミー賞ノミネートのセレブになった

    <母親に暴力を振るわれ、里子に出され......。現在アメリカで最も注目されるコメディアン、ティファニー・ハディッシュは、年度グラミー賞のノミネート作にもなった話題の自伝のなかで過酷な子供時代を告白している> 千葉県野田市の10歳の女児が父親による虐待で死亡し、両親が逮捕された。痛ましい虐待事件が明るみになるたびに、なぜ未然に防止できなかったのかという反省がつきまとうのは毎度のこととなっている。 児童相談所や職員の恒常的な不足、行政システム、法制度の問題などが複合的に絡み合うため、シンプルな解決を見いだすのは難しいのかもしれないが、他国の場合はどうなのだろうか? いま、アメリカでいちばん注目されている人気コメディアンで女優のティファニー・ハディッシュの事例からアメリカの状況を見てみよう。 ティファニー・ハディッシュといえば、2018年にはタイム誌の「いま最も影響力がある100人」に選ばれ

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    solailo 2019/02/18
    「里子の頃はあの黒いゴミ袋に自分の大切なものが全て詰まっていた。その時はそのせいで自分はゴミなんだって潜在的に信じてしまっていた」
  • 洋食は「和食」なのか? NYに洋食屋をオープンした日本人の挑戦

    「バー・モガ」のエグゼクティブシェフ、秋山剛徳 Satoko Kogure-Newsweek Japan <オムライス、ハンバーグ、エビフライ、コロッケ......どこか懐かしい日の「洋」だが、これって日料理なの?> 「人種のるつぼ」と呼ばれるニューヨークには世界各国の料理が集結し、そのジャンルも高級料理から家庭料理までと幅広い。大人気の「和」ひとつをとっても、寿司屋からうどん屋、おにぎりショップからラーメン屋まで多種多様だ。 そんなニューヨークに今年4月、日人シェフによる「洋屋」が誕生した。オシャレなウエストビレッジ地区にオープンした、赤煉瓦づくりの「バー・モガ」だ。和レストランがひしめくニューヨークでも、「日の洋屋」は初めてかもしれない。 扉を開くと大正ロマンを彷彿させるモダンな空間が広がり、メニューにはオムライスにハンバーグ、エビフライにコロッケ、グラタンなど、どこ

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    solailo 2019/02/14
  • 【追悼父ブッシュ】アメリカの大統領がまだ「まとも」だった頃

    <11月30日に死去したジョージ・H・W・ブッシュが、次の大統領になるビル・クリントンに残した置手紙が、感動を呼んでいる> 11月30日にジョージ・H・W・ブッシュ第41代米大統領(共和党)が死去した。94歳だった。訃報が流れた後、彼がホワイトハウスを去る前に民主党のビル・クリントン次期大統領(当時)に残した手紙が脚光を浴び、感動が広がっている。 「今や君の成功はこの国の成功だ。心から応援している」と、ブッシュは1993年に政権を引き継いだクリントンに宛てて書いた。ブッシュは1992年に再選を目指して大統領選に出馬したが、選挙人投票で200票以上の差をつけられて敗北し、12年間続いた共和党政権は終わりを告げた。 73年連れ添った最愛のバーバラ・ブッシュは今年4月に92歳で死去したばかりだった。 11月30日の夜、長男のジョージ・W・ブッシュ第43代米大統領が父の死を発表すると、哀悼のメッ

    【追悼父ブッシュ】アメリカの大統領がまだ「まとも」だった頃
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    solailo 2018/12/05
  • 現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て帰宅

    <迷子になったのは理解しているのに説明できなかった。方言しか分からない女の子はアメリカの養親に引き取られ...> アメリカに住むカイリー・バウワーズは5歳までは確かに「リョウ・ジンラン」だった。名前が変わったのには理由がある。中国広東省中山市で迷子になった彼女は、家族の待つ家に帰ることができず養子に出されたアメリカで18歳を迎えた。 方言が災いして... 南方日報によると、カイリー(リョウ・ジンラン)は迷子になった日、ひとりぼっちで橋に立っているところを老婦人に連れられ警察に行った。カイリーは当時のことを鮮明に覚えていて、対応に当たった警察官が話す言葉が理解できなかったそうだ。彼女は広東省雷州市の方言しか喋ることができなかったために、自分が迷子だということを伝えることができなかったのだ。 彼女は中山市の福祉施設に預けられ、チュン・フェンミンという名前を与えられた。2年間の施設生活を経て、そ

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    solailo 2018/09/01
  • 「英雄」で「善人」のマケインはなぜ大統領になり損ねたのか──それはアメリカが変わってしまったからだ

    John McCain, dead at 81, helped build a country that no longer reflects his values <トランプ大統領に物言う政治家として、党派を超えて尊敬を集めていたジョン・マケイン。だがアメリカ政治と世論にはとうに見捨てられていた> 米共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員が8月25日に死去した。81歳だった。1年前に脳腫瘍と診断され、闘病中だった。祖父も父も海軍大将という軍人一家に生まれたマケインは、海軍のパイロットとして従軍したベトナム戦争で「英雄」となった後、政治家に転身し、世界におけるアメリカの指導力を不断の努力で守ってきた。 「ジョン・マケイン上院議員は、のシンディーと家族に看取られて亡くなった。彼は60年にわたって誠実にアメリカに尽くした」と、マケインの事務所は声明を出した。 アメリカ政治が専門の筆者としては

    「英雄」で「善人」のマケインはなぜ大統領になり損ねたのか──それはアメリカが変わってしまったからだ
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    solailo 2018/09/01
  • チェコ語翻訳者が語る、村上春樹のグローバルな魅力

    Translating Haruki Murakami in the World 40以上の言語に翻訳されるほど人気が高いのは「わかりやすい」から 村上春樹の作品が世界中で人気を博していることはよく知られている。アメリカやイギリス、フランス、ドイツ......それにアジアや南米の国々まで。世界の40を超える言語に翻訳されているのだ。毎年のようにノーベル賞候補に挙げられる村上は、間違いなく現代を代表する世界的作家だろう。 その人気は、ヨーロッパの真ん中に位置し、美しい都プラハを擁するチェコでも変わらない。チェコは人口約1000万人。中欧の小国だが、フランツ・カフカ、カレル・チャペック、ミラン・クンデラなどの偉大な作家を輩出してきた。村上は2006年に、栄誉ある文学賞のフランツ・カフカ賞をプラハで受賞している。 かの地での人気は、文学大国としての土壌ゆえだろうか。それとも国境を超えるハルキ人気

    チェコ語翻訳者が語る、村上春樹のグローバルな魅力
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    solailo 2018/07/04