読みながら何度も心が震えた。昂奮(こうふん)することはある。感動することもある。感涙に咽(むせ)び、温かな余韻に浸ることもある。あるいは衝撃をうけ、思わず声をもらすこともある。しかし小説を読みながら、心が震えることは滅多(めった)にない。 まず、冒頭にあるのは、「完全」という短編だ。主人公はキャサリン、二十二歳。警官歴十五カ月で、職務執行中に強盗を撃ち殺した。物語では、キャサリンがどのように事件と関(かか)わり、どのように射殺したかを振り返る。それだけである。十頁(ページ)、およそ三十枚の短編なのに、まるで長編のように重く深い。徹底したリアリズムで、警察官の職務の一部始終を描き、事件現場へと読者を連れて行き、キャサリンが銃を撃たざるをえない状況をまざまざと味わわせる。そして殺すしかなかったこと、殺さなければ自分が死んでいたことを深く感得させるのである。 そう、僕らはキャサリンになる。彼女が
NHK ONLINE English。ページ上部右側のFeatureコーナー内にPodcastingボタンが用意される 日本放送協会(NHK)は、海外向けに外国語でニュースを配信する「ラジオ日本オンライン」において、ニュースコンテンツのPodcasting配信を3月16日11時に開始する。利用は無料。 NHKでは、2000年よりラジオ国際放送「NHKワールド・ラジオ日本」における22言語ニュースと日本語による「海外安全情報」を、インターネット上でライブおよびストリーミング配信を行なっている。今回開始するPodcasting配信は、国内外の外国人に対する利便性や、インターネットを通じた外国語による国際情報発信機能を強化するものだという。 英語やドイツ語、イタリア語、フランス語、中国語、ハングル、アラビア語など21言語の外国語ニュースをPodcasting配信。ラジオ日本オンラインやNHK O
id:finalvent 氏が依拠する山本七平について。 浅見定雄、『にせユダヤ人と日本人』、朝日文庫 finalvent 氏が引用した山本七平の文章は、『日本人とユダヤ人』の「しのびよる日本人への迫害—ディプロストーンと東京と名誉白人」と題する章に収められている。この章について浅見定雄は次のように述べている。 いちばん憂鬱な章にかからねばならない。いま私は、この本のためのすべての原稿の最後に―「あとがき」の原稿よりもあとに―重い気持ちで、この十二章にとりかかろうとしている。 何がそんなに憂鬱か。私たち「日本人」にとって、架空の「ユダヤ人」などより何千倍も身近な隣人である韓国・朝鮮人について、このくらい陰湿な詭弁を読んだことがないからである。単純な無知ゆえの偏見の方が、まだ救いようがあると思えてならない。 (115-116頁) これ以降を紹介する前にお断りしておくが、私はかつて(角川文
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