闇のファンタジー (ナイトメア叢書) 作者: 一柳廣孝,吉田司雄出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2010/08メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (3件) を見るナイトメア叢書の第7巻。児童文学関係で興味深い論文がいくつか収録されていたので、こちらで紹介します。 継承と解放、そして残された課題――一九八〇年代以降児童文学の長編ファンタジーに見る「闇」(佐藤宗子) 現代児童文学の起点とされる1959年からの児童文学ファンタジーの状況を、「闇」をテーマに概観しています。「闇」をヨコの「闇」(社会や共同体)、タテの「闇」(時間・歴史)、内なる「闇」(内面)の三つに分類し整理しているので、論点が非常にわかりやすくなってます。 興味深いのは最後の問題提起。最近の「東アジア」を思わせる地域が舞台に設定され、国際関係の緊張が物語の主軸となっているファンタジー作品の