どこまでも深い「わからなさ」と、ほんの微かな希望が残った。 それが『奥さまは愛国』(河出書房新社)を読んでまず思ったことだ。 2月に出版されたばかりの本書の執筆者は、フェミニストである北原みのりさんと、在日韓国人三世の朴順梨さん。 帯には、以下のような言葉が踊る。 「〈普通の主婦〉が、愛国活動にはまっている 彼女たちは何を愛し、守ろうとしているのか?」 ご存知の通り、私自身、90年代後半に右翼団体に所属していたという経歴の持ち主である。「なんで?」といまだに聞かれるが、一言ではとても説明できない。 ただ、バブルが崩壊し、「一億総中流」という戦後の神話が崩れていく中、フリーターとして浮遊していた私には、どこにも帰属先がなかった。「頑張れば報われる」と言われてそれなりに努力してきたのに「バブル崩壊によって今までのことは嘘になりました」と梯子を外された気がして、何か納得いかなかった。「教育に嘘を
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