日本代表が第2戦を戦うナタルにいる。空港から市内へ向かう道沿いにはヤシの木が茂っていた。風景も、気温も湿度も、まさに熱帯のそれである。 ブラジルに来た当初の緊張がほぐれてきたのは、さまざまな景色を目にしたおかげもあるだろう。リオデジャネイロでは貧しい地域にも、豊かでおしゃれなエリアにも行った。ニューヨークに雰囲気が似ている中心部も歩いた。そして今度は熱帯だ。黒いヤギが列をなして道を歩いていたりする。何でもありのブラジルに、いやでも目と体が慣れてくる。 そんなふうにいくらかブラジル化した頭でワールドカップ関連の日本のニュースを見聞きすると、大きな違和感をおぼえるものが多い。たとえば── ●「ごみ拾いをする日本人を世界が称賛」という話をテレビで延々とやっている テレビがこの話を取り上げすぎていると思うかどうかは、もちろん人によって差があるだろう。でも日本が第1戦に負けた後のメディアは「スタンド