日本のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)業界を牽引してきたミクシィが身売りを検討していることが明らかになった。社長の笠原健治氏が保有する約55%の株式について、売却に向けた交渉への参加を複数の企業に打診し始めた。近く行われる入札にはグリーやDeNA(ディー・エヌ・エー)といった競合他社などが参加する見通しだ。 ある金融筋は「今春、ミクシィから競合他社に株式売却の話が持ち込まれた」と証言する。笠原社長の意を受けた証券会社が株式の売却を持ちかけたといい、「第一段階では笠原社長の保有株式の一部を譲渡して資本提携し、その後、将来的に全株式を放出する案が示された」と続ける。 ミクシィが身売りを検討するのは、今回が初めてではない。過去に一度、ヤフーとの間で資本提携が実現まであと一歩のところまで進んだことがある。両社の交渉は2011年2月末にプレスリリースを配信する直前まで進んだが、最終局
向谷氏は日本を代表するフュージョンバンド、カシオペア(現在は活動休止中)のキーボード奏者として名が知れ渡る一方、電車の運転シミュレーターを製造・販売する株式会社音楽館(東京都世田谷区)の社長として大忙しの日々を送っている。このことは日経ビジネス2月13日号の「旗手たちのアリア~鉄道に安心捧げる音楽家」でも紹介したことがある。 その向谷氏がこの日、薄いグレーの制服・制帽を身にまとい車掌に扮して登場すると、鉄道ファンたちのカメラから一斉にフラッシュがたかれた。敬礼のポーズを決めながら、初めて会ったはずのファンたちと古くからの知り合いのように大声で語り合っている間に、発車時刻が到来。17時49分、定刻通り大阪駅のホームを滑り出した夢のブルトレの行き先は、かつてなかった路線となる上野駅。しかも、ここから日本海側へ遠回りする長旅だ。 夢を現実にする発想力とエネルギー 向谷氏が以前から親しくしているド
携帯電話の通信設備を貸し出す際の接続料をめぐって、司法の場で争う見通しとなったNTTドコモと日本通信。「2008年に合意した接続料の算定式を2010年度以降、ドコモが一方的に変更した」と主張する原告側の日本通信に対し、ドコモは「法令やガイドラインに従っている」と反論。いまのところ、両社の主張は真っ向から対立している。 ドコモの通信設備を利用しているMVNO(仮想移動体通信事業者)の加入者はドコモの加入者でもあり、両社の関係は本来、「ウィン―ウィン」であるはず。それがなぜ、これほどまでにこじれてしまったのか。 両社の主張を取材する中で判明した未回収コストの存在などを基にドコモの危機感を分析していくと、日本通信とはまったく別の、ドコモにとっての真の脅威が浮かび上がってきた。 年間3500億円の未回収コスト 「ドコモのコスト負担分がMVNOと同じなら、2010年度実績で3500億円のコストが未回
そして2012年の3月、東京・銀座に世界最大規模のグローバル旗艦店をオープンさせた。銀座店オープン前日の記者会見で、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、次のように強調していた。 「グローバル経済の波が押し寄せる中で、日本は、アジアの、そして世界の中の日本へと変わりつつある。日本市場だけを見ていると、少子化や高齢化によって国民全員が閉塞感を抱き、将来に不安を持っている。だが、アジアの一員として日本を見ると、莫大な可能性があることがわかる」 「ターゲットは日本国民1億2000万人から、50億人へと変わるのだ。アジアは今、世界の主要企業が集まり、ビジネスのオリンピック状態。ユニクロは今後、中国やアセアン諸国、マニラ、ジャカルタなど、アジアの大都市全てが主戦場になる」 「ユニクロがアジアの各国で、そしてグローバルでナンバーワンブランドになるためには、まず日本で圧倒的なナンバーワンブランドに
富士通とNECがスマートフォン(高機能携帯電話)を海外市場に本格投入する。パナソニックやソニーなども先行して海外展開を明らかにしている。携帯事業の生き残りをかけ、最初で最後とも言える挑戦が始まる。 「スマートフォン(スマホ=高機能携帯電話)の世界市場シェアでいつまでも(6位以下の)『その他』に甘んじている気はない」 富士通でユビキタスプロダクトビジネスグループ長を務める大谷信雄・執行役員常務はこう言って、自社のスマホの海外展開に意欲を見せる。 大谷執行役員常務は「すぐにでも海外で売りたい。今は準備の最中だ」と話し、計画を本誌に明かした。 富士通は今秋にも、同社製スマホ「ARROWS(アローズ)」を海外出荷する。同社の2013年3月期のスマホの販売目標は700万台。このうち海外販売比率は2割、140万台を目指す。 富士通が携帯電話を海外に本格展開するのはこれが初めて。2009年に台湾、201
12月19日12時30分(北京時間)。出張先から北京首都国際空港へ降り立ち、携帯電話の電源をオンにした筆者は、即座に異様な空気を感じた。数秒間隔でメールが入ってくる。 「聞いた?」 「ちょっと信じられないよね?」 「情報は本当なの?」 「今晩、番組に来れる?」 「この地域は荒れるのかな?」 「北朝鮮」「金正日」「死去」。これらの名詞、固有名詞は一切使われていなかった。監視や盗聴を考慮して、携帯電話による連絡では固有名詞を極力使わないようにしている。 久しぶりに北京に戻ってきた。多くの中国人記者たちが、空港の出口で筆者を待ち構えていた。いつもなら、「久しぶりの北京はどうですか?」「この前のあのニュースについてはどう思いますか?」「向こう2週間はどういう予定ですか?」などという質問から入って、ざっくばらんなコミュニケーションを交わす。だが、この日は違った。 12月25~26日に予定されている野
またもや起きてしまった。 2011年12月12日の早朝、仁川市オンジン郡ソチョン島南西85キロ(韓国の西海岸)の海上――韓国の排他的経済水域――で中国漁船の不法操業を取り締まっていた海洋警察官が、中国漁船の船長に殺害される事件が発生した。 海洋警察官が中国漁船の不法操業取り締まり中に亡くなったのはこれが2度目である。2008年9月にも、警察官が中国漁船の乗組員にシャベルで殴られ、海に突き落とされて亡くなっている。海洋警察庁によると、2008年から2011年11月までの間に、中国漁船の取り締まり中に負傷した海洋警察官は28人にのぼる。 中国漁船は逃げるどころか襲い掛かってくる 海洋警察庁は12月13日に記者会見を行い、12日早朝の不法操業取り締まりの様子を詳しく説明した。警察官10人が中国漁船に乗り移った時に、もう1隻の中国漁船が、わざと船を4~5回衝突させた。 警察官らが倒れかかったすきを
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 本連載「グランドデザインはあなたが描く」の主旨は、グランドデザインの価値、その担い手、描き方を考えることにある。第1回で述べた通り、技術で稼ぐためにも、新事業を作るためにも、東北の復興にも、そして国家の舵取りにもグランドデザインが欠かせない。 グランドデザインとは、実現しようとするコトやつくろうとするモノの全体像を描き、全体の構造と構成要素を定義したものである。何(what)を目指したいのかを表現しており、製品やサービスの意匠(スタイリング)と設計、それらを使う顧客の利用体験までを含む。 デザインプロセスの特徴とは グランドデザインを描くプロセスは多くの先達の経験に基づいてほぼ確立されている。例えば米国の国際技術教育学会がまとめた「技術リテラ
10月21日金曜日、上海に急遽行かなければならなくなった。北京と上海を結ぶ国内線は便数が最も多い。だがエコノミー席はおろか、ビジネスやファーストクラスも空席がなく、困り果てて「あれしかない」と覚悟を決めた。 そう、北京と上海を結ぶ高速鉄道だ。中国共産党の創設90周年に間に合わせるため今年6月末に駆け足で開業し、当初からトラブルが多発した“中国版新幹線”だ。7月23日には浙江省温州(ウェンジョウ)で40人が死亡する鉄道事故が発生。安全軽視の鉄道省に批判が集中、事故後の乗車率は軒並み半分近くに落ち込んだ。そのため「高速鉄道ならガラガラのはず」と思い込んでいた。 だが、こちらも満席だった。高速鉄道が発着する北京南駅は乗客で溢れ返っていた。朝からキャンセル待ちをして、やっと確保できたのは午後4時10分発の1等席だけ。チケット売り場の電光掲示板を見ると、3日後までほぼ空席はなかった。「思い込み」とは
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 「英語の原文はこちら」 国債の格下げに揺れる米国、政府債務の不履行を未だ恐れる欧州、いつ終わるとも知れないデフレと戦う日本。このような状況下で、安全な投資先はどこへ消えたのかと投資家が思い悩むのも無理はない。第2次世界大戦後、世界の基軸通貨として君臨してきた米ドルは今や力を失ってしまったように見え、米国の財政破綻を予言する声も盛んとなっている。 このように人心を惑わす予想を信じるか否かは別として、世界における大規模なパワー・シフトによって既存の経済秩序が変化していること、そして中国がその変化の中心に位置していることは明白だ。中国はすでにドイツを抜いて世界最大の輸出国となっているだけでなく、主要20カ国・地域(G20)首脳会合など世界的な政策協
90年代半ばにかけて、仏ロレアルなど世界大手が次々と中国に進出。現地の化粧品市場は、高級品と大衆向けに2極化していった。本来なら、コーセーは先行者メリットを享受できるはずだったが、逆に主戦場である高級品市場で後手を踏むことになった。 コーセーは、百貨店の販売コーナーを拡充したり、「ボーテドコーセー」という当時日本で展開していたブランドを持ち込んだりして高級品としてのブランドを訴求。さらに「雪肌精」の大ヒットで、現在では高級化粧品市場で確固たる足場を築いている。しかし、コーセーが直面した試練は中国でのブランド戦略の重要性を物語る。 進出には出遅れたが、ブランド戦略で巻き返したのが日産自動車だ。 先行する独フォルクスワーゲンなどと対照的に、現地での合弁相手を東風汽車集団の1社に絞り、経営資源を集中投下した。そして、最初に拡販したのが高級感がある「ティアナ」だった。中国事業本部の西林隆本部長は「
(前編から読む) (中編から読む) ―― 人材育成の枠組みとしてソフトバンク・アカデミアを設立しました。1年たって手ごたえはどうですか。 孫:やってよかったなと痛感しています。 ―― どのあたりが? 孫:我々のグループに若い優れた人材がたくさんいるなということを再発見できましたし、僕がそれによって学んでいる点もたくさんあります。アカデミアは僕が上から目線で過去の経験を刷り込むというような、そういう内容ではまったくないんですよ。要するに僕自身が今、経営の一番の課題として答えを求めている課題を彼らに共有の課題として与えるのです。 君たちがもし僕の立場にいるとするならば、どういう解決策を考えるかをプレゼンテーションとしてまとめて、予選大会でお互いに点数を付けて競い合って、決勝に残った人たちのプレゼンを1人当たり、5分という中で、僕の前でプレゼンさせているんですね。それをまたお互いにまた全員で点数
いま、スマートフォンやタブレット端末などのモバイルが急速な進化と普及を見せている。そして、人々の情報取得やコミュニケーションのスタイルを変えつつある。 私たちの目の前には、広大なモバイルフロンティアが広がっている。パソコンではできなかったことがモバイルで可能になり、これまで存在しなかった新サービスが続々と登場している。こうした中で勢いを増しているのが、ソーシャルメディアである。「Twitter」や「Facebook」のユーザーは世界中で急増しており、人々のコミュニケーションに新しい地平を開こうとしている。 社会で活躍し始めたミレニアム世代 そしてモバイルとソーシャルメディアの動きを牽引しているのが、デジタル環境の中で育ったミレニアム世代だ。ミレニアム世代とは1980年代、90年代生まれの若者たちのこと。これは米国での呼称だが、日本の状況も似ている。 インターネットに慣れ親しみ、オンライン上
世界で8億人以上が利用するフェイスブック。国内では月間のアクティブユーザー数が500万人を超え、じわじわとその存在感を示しつつある。IPO(新規株式公開)も噂される中、フェイスブックは自らが描く戦略に対し、日経ビジネスの取材に応じた。 日経ビジネス10月17日号特集「フェイスブックの描く未来」との連動企画。第3回目はフェイスブックで広告部門&グローバルオペレーション担当副社長のデイビッド・フィッシャー氏だ。 第1回 ソーシャルテクノロジーが世界をもっと狭めてくれる ―― シェリル・サンドバーグCOOが明かした戦略 第2回 我々はソーシャルデザインを頑なに守り続ける ―― ダン・ローズ副社長にインタビュー ―― フェイスブックの広告売り上げの推移について教えてください。 フィッシャー:具体的な数字は申し上げられませんが、堅調に推移しています。 我々は企業に対してフェイスブックページ、フェイス
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