*1 『その着せ替え人形は恋をする』5話。五条君が喜多川さんに惹かれ始めていることを示唆するシーン。契機となったのはこれより前に描かれていた喜多川さんがにひっと笑うカットだったと思いますが、個人的により印象に残ったのはこちらのカットでした。当事者にとってそれが魅力的に映っていることを示唆する際、その対象者/物をスローモーションで描くことは特に珍しい表現というわけではありませんが、表現が珍しいかどうかなどはこの際関係がなく、それがどこまでその時のシチュエーションや心情にリンクするかが何よりも大切なのだろうと思います。喜多川さんとしては「衣装が脱げそう・暑さで倒れそうだ」ということを知らせるために近寄ってきているだけなのですが、そんな彼女の走る姿と表情、靡くプリーツ、皺の質感、好きなことに一途だからこそ流れ出る汗の尊さに五条君は特別性を見出していたのだと思います。だからこそ主観的なカットが入る