メイン画像: 『聖地には蜘蛛が巣を張る』メイキング写真 ©Profile Pictures / One Two Films もし「アリ・アッバシ」という名前に聞き覚えがないのなら、いますぐに覚えておいて損はない。まぎれもなく今後の映画界、ひいては映像作品の世界を背負って立つフィルムメーカーのひとりだからだ。 代理母を引き受けた女性に起こる怪異を描いたホラー映画『マザーズ』(2016年)で長編デビューを果たしたアッバシは、第2作『ボーダー 二つの世界』(2018年)が『カンヌ国際映画祭』の「ある視点」部門でグランプリを受賞。同作はアカデミー賞のスウェーデン代表作品に選ばれたほか、「スウェーデンのアカデミー賞」こと『ゴールデン・ビートル賞』で作品賞など6部門に輝いた。 強烈な社会性をそなえつつ、ファンタジーの要素が濃厚なホラー/スリラーを手がけてきたアッバシにとって、『聖地には蜘蛛が巣を張る』