〈連載「山形屋再建~宮崎山形屋」㊤〉徒歩3分圏に百貨店3店がひしめいた宮崎市街地は、郊外SCの進出で一変した。地場資本・橘百貨店はイオン系を経てドンキへ…鹿児島と重なる苦境の構図 鹿児島市の山形屋が360億円の負債を抱え、私的整理による経営再建に乗り出した。273年の歴史を持つ老舗の経営再建は、鹿児島だけでなく隣県の宮崎にも波紋を広げる。宮崎市唯一の百貨店「宮崎山形屋」も同じく、県都の核として存在感を示してきた。ただネット販売の普及や郊外の大型商業施設進出、新型コロナウイルス禍といった苦境の構図は鹿児島と同じで、宮崎県でも動向が注目されている。 「宮崎山形屋は宮崎の中心のお店。昔からずっと親しまれている」。宮崎市産業政策課の深田由紀子課長補佐(53)は迷いなく話す。近年は郊外大型店の進出もあり、中心市街地から若い世代の姿が減った。そこへ先月、山形屋の私的整理の一報が入った。「山形屋を中心に