トップ > 科学・デジタル > デジタル一覧 > 記事 【デジタル】 電子図書館・青空文庫が10周年 善意と完成度のはざまで 2007年10月29日 自宅の一室で、原稿をチェックする中心メンバーの富田倫生さん 著作権の切れた名作を無料で読めるネットの電子図書館「青空文庫」が開設十周年を迎えた。読者に支持され、ボランティアの善意にはぐくまれ、今や、ネットにおける文化活動の一翼を担っている。だが、これまでの道のりは平たんではなく、これからの課題も少なくない。 (ルポライター・黒田達明) 「日本語を電子テキスト化することの社会的意義を実証できた」と、青空文庫の運営を担う富田倫生さん(55)は、十年を振り返る。 青空文庫が幅広い支持を集めているのは、原本を忠実に再現しているからだ。そのためには、マニュアルの整備、正確な入力、入念な校正など、地道な作業が欠かせない。パソコンでは入力でき