海外との取引においては、一般の海上保険でカバーされる航海危険(沈没、座礁、水濡れ、毀損、強盗、火災、不着など)のみならず、戦争、革命、内乱、テロ、相手国の輸入制限・輸入禁止・債務繰り延べ、為替取引の制限・禁止などの非常危険や、相手方の破産等による代金回収不能、相手方が外国政府である場合の一方的契約破棄等の信用危険をともなう。非常危険、信用危険はいったん発生すると支払い保険料が多額に上るため、民間の保険会社は引き受けることが困難である。このため、各国においては、貿易・投資促進政策の一環として、政府または政府機関が貿易保険制度を運営している。 日本においては、1950年以降通商産業省が直接運営してきたが、2001年の中央省庁再編に伴い、株式会社日本貿易保険が元受を行い、国(経済産業省)が再保険を実施している。