言葉を使うから間違うのだ、という考えは昔からあって、「今度会うとき、最初から最後まで、ふたりとも話をしないのってどう?」っていうのを提案したことがあります。 たとえば、自動販売機の前に連れていったら、それは“のどがかわいた”ということだし、ベンチに連れていったら“ひとやすみしたい”ということです(別にカフェだったりホテルだったりでもいいのですが)。そんなふうに、言葉を使わない。言葉を使うから、話す端から“ああ、こんなこと言いたかったんじゃないのに!”と思ってしまったり、逆に、「言葉が喋ってしまった」ことを「自分の本心だと勘違い」してしまったり、ということがなくなるんじゃないかな、と考えたのです。ちゃんと、相手の目を見て、ほほえんでみせたり、“イヤだ”という表情をしてみせたりして、気持ちをきちんと伝えるようにする。最後は笑って手を振って別れる。そうすることで、言葉に頼るより深く相手とつながる