・サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 「本人も与り知らない無意識の認知メカニズムの存在が、ヒトの本性を規定するとともに現代社会に特有の諸現象にも深くかげを落としている」ということを名著『サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ』の認知心理学者が語った続編的な内容。 無意識と情動。心と身体のあいだにあるはたらきが、顕在意識や行動に大きく影響を及ぼしているとする研究成果が多く提示される。悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいというジェームズ・ランゲ説。生存に必要なものに注意が向かう無意識の定位反応によって対象を注視していると、自覚的にも好きになってしまう現象。意識にのぼらない知覚というものがあって、思考や判断の下部構造となっている。予感や予兆は、本人がうすうす知っているがまだ意味を自覚できない時期の知覚だなんていう話もある。 現代社会のコマーシャルには、こうした人間の潜在認知