→紀伊國屋書店で購入 「超絶文系日本色見本帳」 広島の厳島神社を訪ねた昨秋、ちょうど引き潮で大鳥居まで歩いた。夕焼けに映え、暮れゆく闇に沈む鳥居は美しく、鹿にいたずらされながら石垣に腰掛けてずっと見ていた。鳥居の色は神社仏閣でよく見る朱色だが、夕陽に向かってそれと等しい色を発することで生まれる無色の域が大鳥居のシルエットを描いているようで、神社仏閣で見るどの朱色もみなこのような瞬間のためのように思われた。 この色を、「丹(に/たん)色」と呼ぶと本書にある。『万葉集』では「さ丹つらふ妹」や「さ丹つらふ君」のように若々しく美しい容貌を讃えることも多いようだが、これは「朱」も同じそうである。丹と朱について、丹は黄味を帯びた赤、朱(そほ)は黄味を含んだ赤、ともある。鳥居を丹色として朱色の代表を朱肉に見たとすると、二つの色の違いは明らかだ。DICの色見本帳でそれぞれ近い色の番号とそれにつけられた名前
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