→紀伊國屋書店で購入 「オトナの夏休み課題図書」 とても大切で、大好きな友人に薦められて読んだ。 ファンタジーといってしまうと、レッテルをはるようで失礼な気がするが、 やはりファンタジーなんだろうな、とも思う。 とにかく世界が濃密で、いつまでも思いきり浸っていたい。 異国の話ではあるけれど、とことん和風ファンタジー。 妙にしっくりくる世界観なのだ。 計算してぬかりなく作られた世界、ということではなく 人々が暮らしている息遣いが聞こえてきそうな、 しっとり身にまとわり付いてくる感じ。 デジャヴに近い懐かしさ。 ちっとも見たことのない世界なのに。 この感情はどこから来るんだろうか。 世界観というよりは生活感、かもしれない。 おいしそうな異国の食べ物や 情景が見えてくるような住まいの描写がすばらしい。 様々な国の人の気質や、それぞれの暮らしや文化がたっぷり描かれている。 登場人物も魅力的だ。 メ
→紀伊國屋書店で購入 「ユニークフェイス研究に光を当てた労作」 本書は、日本というユニークフェイス研究不毛の地に、はじめて登場した日本人研究者による学術書です。 私が1999年からユニークフェイス問題を公に語り初めて10年。ようやく日本の現状を研究者が調査結果を単行本化してくれました。待望されていた書籍です。 私は1996年から97年にかけて英米カナダで情報を収集し、日本ではこの問題については研究の蓄積がないことに気がついていました。1999年から大学関係者に、ユニークフェイス研究をしてほしい、と機会をみつけて語ってきました。しかし、その反応は鈍いものでした。国内での先行研究がない、ということは、その研究の価値を判断する能力のある日本国内の権威・専門家(大学教授)がいない、ということを意味します。 少子化による大学冬の時代です。若い研究者たちは就職先がありません。 大学院卒業生の就職先がな
→紀伊國屋書店で購入 「小説家が小説を書かない」 なかなか果敢な実験、というのが最初の印象だった。というのも、そこで行われているのが「いかに小説家が、小説を書かないか」という試みであるように読めたからだ。 もともと佐川は、牛の解体作業を描いたデビュー作「生活の設計」のイメージがたいへん強い。佐川が屠殺場を舞台とした小説を書いたのは実はこの一度だけなのだが、筆者なども、何となくこの作家が頻繁に屠殺の風景を描いているかのように錯覚していた。 佐川自身にとってもこの「生活の設計」が重要な作品だったことはまちがいない。しかし、それだけに佐川は、自分が十年間働いた屠殺場の業務について書くことに、これまで禁欲的であった。西村賢太のような作家が、ほぼ同じ題材を扱うことで、その世界を変貌させ洗練させるのに対し、佐川は文体といい、語りの方法といい、題材といい、毎回たいへん慎重に書き分けている。屠殺小説も一回
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