→紀伊國屋書店で購入 おもしろい本に出会った。写真集だ。世界的に活躍している200人の音楽家のポートレートである。撮影は木之下晃。音楽家の撮影においては誰もが一目を置く写真家だ。1984年から85年にかけて小学館より出版された『世界の音楽家』という全3巻のシリーズは大評判となり、“音楽家を撮る”木之下の名前を不動のものにした。といっても近寄りがたいような雰囲気はまったく見せず、とても気さくで飄々とした人柄だ。(『世界の音楽家』は現在『『マエストロ 世界の音楽家─木之下晃作品集』全1巻として小学館より出版されている。) 今回の写真集では、すべてのシーンに同じ石が登場する。白く、鶏卵よりは大きいが手のひらで包めるし、口にもくわえられるサイズだ。上から見ると78mm×44mmあり、重さは160g。この石は木之下が1974年5月3日に相模川上流の水無川で家族とバーベキューを楽しんでいる時に、河原で