→紀伊國屋書店で購入 「いのちの選択・・・自分の頭で考えよう」 昨年7月13日、臓器移植法が改定になった。 これにより、日本でも脳死を一律に死と認めたことになった。そして、本人の意志はなくても家族の判断で生きている身体から臓器を提供できるようになった。では脳死とはいったい何か。 私は人の死は心臓の鼓動の停止として習ってきた(胸を耳を押し当てたりして)。ところが、脳死では心臓は動いたままである。脳が不可逆的に停止しても身体は生きているという人間の状態は、人工呼吸器とともに作られ広がった現実である。つまり、人工呼吸器による副産物が、脳死からの臓器提供ともいえるのである。 それで、この法案が提出されたとき、呼吸障害による人工呼吸器の利用者やその家族、脳性まひの人たちが、それは優生思想だ、功利主義だといって反対した。人工呼吸器をつけた子の親の会の人たちも集会を持ったり、議員会館を尋ねたりしていた。