「事実に角度を付ける」…2014年を締めるに当たり、このやっかいなキーワードの問題を整理しないわけにはいかない。いちメディア企業の問題でなく、現場の記者職が皆で考えるべき問題と思えるからだ。 今年の重大ニュースとなった「吉田調書」報道問題について、ある朝日新聞記者OBの方は「命令違反ではないが、『退避』は事実だった。事実に『角度』をつけることは『解釈の違い』に過ぎない。社長会見は情けない。社員は何をしているのか」と発言したという(https://web.archive.org/web/20141212102157/http://www.jrcl.net/frame141117b.html)。 また、もう一つの問題である「吉田証言」報道問題を調査した第三者委員会の委員は、何人もの朝日社員から「角度をつける」という言葉を聞いた。「事実を伝えるだけでは報道にならない。朝日新聞としての方向性を付け