先日発売された『ソーシャルメディア・プリズム SNSはなぜヒトを過激にするのか?』はなかなかに面白かったので、感想のメモを残しておこうと思う。インターネットと社会運動の関係性について考える上で、示唆に富んだ一冊。 www.amazon.co.jp 同じ意見ばかり見て過激化する、は本当か 本書の一番の特徴は「ソーシャルメディアでは自分と似たような意見の人たちばかりが目にふれるよう設計されており、それによって意見が両極化する」という、いわゆるエコーチェンバー批判に対して、疑問を呈しているところだ。自分とは異なる意見に触れさせることによってエコーチェンバーから抜け出し、多様な見方が促進されるのかどうか、著者たちは実際にボットを使って実験をしている。 アメリカの民主党派に共和党派ボット、共和党派に民主党派ボットを1ヶ月間フォローさせた結果、共和党派の人たちは、ボットに注目していた人ほど考え方がより