12日(日本時間13日)開幕のバンクーバー冬季五輪、6月開幕のサッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会――。スポーツの祭典が相次いで開かれる。話題の競技や試合の中継をめぐり、テレビ各局は活気づく。だが一方で、CM収入は低迷が続き、多額の放映権料のために収支が赤字に終わる恐れも出ている。 昨年12月半ば、東京都千代田区の日本民間放送連盟事務局。在京民放キー局の幹部社員らが、サッカーW杯の放送枠を振り分ける抽選会に集まった。目当ては高視聴率が確実な1次リーグの日本戦だ。 くじを引く順番を決める予備抽選の後、いよいよ本抽選。箱から選びとったボールを割ると、中の紙に数字が書かれている。 「1番」「やった!」 ゴールデンタイムの対オランダ戦を引き当てたテレビ朝日の社員たちが歓声をあげた。くじを引いた板橋順二編成部長は「2006年の日本戦の視聴率は52%。その上を目指す」と満面の笑み。一方