注)この記事は「ブギーポップは笑わない」「歪曲王」「ヴァルプルギスの後悔File4」のネタバレを含みます。 ブギーポップシリーズも15作を超える長編作品となっているが、 その1作品目にして死亡してしまった彼女――紙木城直子を覚えているだろうか。 死亡した登場人物が、再度登場することの多いこのシリーズにおいて、 ヴァルプルギスの後悔File4まで、ほとんど再登場することもなく、 複雑に、膨大になっていく物語に置いていかれてしまった最初の存在とも言える。 しかしそんな彼女を完全に忘れてしまった人は少ないだろう。 何故ならその登場頻度に対し、彼女の存在はあまりに奇妙であり――何より謎を残しすぎた。 そんな紙木城直子の特殊性をここで振り返ってみたいと思う。 まず彼女と言えば何と言ってもエコーズは欠かせないだろう。 これは最初の特異点であり、最大の謎でもある。 笑わないの段階では、まだ正体は分からな