アップルが今秋、独自の地図サービスに参入する。車載分野でぶつかるカーナビ各社が打撃を受けることは必至。一方、地図作製会社には事業拡大の好機となる可能性もある。 「無償の車載向け地図アプリが台頭すれば、ハードウエアとしてのカーナビは一段と苦しい状況に追い込まれかねない」。あるカーナビ関連企業の幹部は、こう懸念を示す。 危機感の源は、米アップルが「iPhone」や「iPad」向けに今秋に投入する新基本ソフト「iOS6」。同社はこれまで、米グーグルの「Google Maps(グーグルマップ)」から地図の提供を受けてきたが、iOS6から独自の地図アプリに切り替える。 アップルの地図参入には、2つの意図があるとされる。グーグルへの依存度を下げ、競合するアンドロイド端末との差異化を明確にすることと、自動車をパソコンやスマートフォンに続く新たなビジネス展開の場に育てることだ。 アップルは既に自動車各社と