「最近、いろいろな知り合いから中国株暴落についての見解を求められるようになったから、そのたびに連載の過去記事を見せるんだけど、『かなり早くから警鐘を鳴らしていたんですね』と、みんな驚くよ」。7月上旬、久々にお会いした宋文洲氏は、このように笑っていた。 ここで言う「連載の過去記事」は、日経ビジネス3月16日号のコラム『異説異論』で宋氏が執筆した『上海株は危険な官製相場、このまま一服してほしい』のことだ。 このとき宋氏は、2014年半ばから上昇を続けていた中国の株価指数「上海総合指数」が官製相場であることを指摘。人民日報が、「中国の株価がまだ上がりそう」という趣旨の記事を出していることも紹介し、中国政府が意図的に株価を上げようとしていることに警鐘を鳴らしていた。本来ならば中国政府が、痛みを伴う抜本的な構造改革に取り組むべき経済情勢であるにもかかわらず、株価上昇を演出し目先の問題を隠し続けるので