『環球時報』Global Timesに寄稿したものの元原稿に加筆したもの 中国経済への懸念が広がっている。特に不動産への過熱した投資の結果、行き過ぎた不動産価格の高騰がついに終焉する(中国バブル崩壊)。そして不動産価格の崩落が、中国の金融機関の不動産融資を焦げ付かせ、膨大な不良債権が現出する。そして不良債権の存在によって中国経済の動脈が硬化してしまい、中国経済は「破綻」するかもしれない、というものだ。 この危機シナリオを読んでいる30代以上の日本人は多かれ少なかれ、日本の80年代後半から90年代初めの経験を思い出すことだろう。まさにいまの「中国バブル」とその当時の「日本バブル」は、不動産価格や株価が主導している点でもかなり似ているように思える。 だが、現在の中国経済は20数年前の日本と大きく違う。まず、中国のGDP成長率は低くなっているが、依然として潜在的な成長余地は大きい。他方で、バブル