菌類寄生生物に感染したヒルガタワムシ。 Image courtesy Kent Loeffler, Kathie T. Hodge and C.G. Wilson ごく小さな微生物が、生殖を行わずにどのようにして5000万年にもわたって繁栄を謳歌できたのか、その謎が解明された。なんと自ら干乾し状態になるというのだ。 淡水に生息する無性の無脊椎微生物であるヒルガタワムシ(学名:Bdelloid rotifer)は逃走の達人といえるだろう。自ら干乾し状態になり風に吹き飛ばされることで、進化のレースをも逃げ切ってきたのだ。ほとんどの動物にとって生殖行為は繁殖の手段であるほか、進化の過程で敵対する種を寄せ付けない機能も果たす。 「生物が生殖行為を絶ってゲノムが固定されると、進化の競走の過程で敵対する種に追いつかれ、間もなく制圧されてしまう」と、ニューヨーク州にあるコーネル大学の神経生物学者ポール・
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