一般的な解答は知ってたが、本書にはなかった→[Googleに訊け]。他に、わたしなりの答えも持ってた(後述)。しかし、多岐のジャンルに渡り知的興奮を掻き立てる、「ごほうび」のような一冊だった。 なぜ「何もない」のではなく、「何かがある」のか? この究極の疑問に囚われた哲学者が、各分野の権威と対話を重ね、謎の本質に迫ってゆく。実存哲学、形而上学、量子宇宙論、神仮説、数学的必然性などの分野を渉猟し、ワインバーグやペンローズ、アップダイクといった著名人とのインタビューを通じ、探偵のように「存在の謎」の犯人をあぶりだす(サブタイトルは、"An Existential Detective Story")。 面白いのは、真犯人へのアプローチそのもの。形而上学であれ、量子力学であれ、最初は一貫した説明がもたらされるが、探偵役に徹する著者の検証により、無限後退にハマるか、循環論法に陥る。形而上学的な説明に