この調査の最大の特徴は「近所の家が留守のとき、その家(およびペット)を見守るか」という質問(研究内では“TOTORO”と呼称)を操作変数として取り入れたことだ。 他人のペットを世話することで、ペット飼育の喜びや価値を直接体験し、自分もペットを飼いたいという意欲が高まる。一方でペットの世話をしなくても、そもそも近所と良好な関係を持つ人は生活満足度が高く、生活満足度が高い人がペットを飼ったにすぎないと推測できる。 TOTOROを操作変数として使用することで「幸せな人がペットを飼う傾向がある」のか、あるいは「ペットの存在が人を幸せにする」のかという因果関係の方向性を統計的に推定することが可能になる。分析結果からも、TOTOROはペット飼育と統計的に有意な正の相関関係を示しており、操作変数として適切に機能していることが確認されている。 分析の結果、猫と犬の飼育はともに生活満足度を大幅に向上させるこ
