ISBN: 9784622079828 発売⽇: 2016/06/25 サイズ: 20cm/278,10p 死すべき定め―死にゆく人に何ができるか [著]アトゥール・ガワンデ 脳外科医マーシュの告白 [著]ヘンリー・マーシュ 医療は文学的なんだよと若い研修医がわたしにいった。十九歳の夏、脳下垂体腫瘍(しゅよう)の手術のため入院した病院でのことだ。手術時間も比較的短い良性腫瘍は重篤な患者さんたちの前では気楽なものに思えた。深夜緊急オペに駆けつける医師もいた。英文科一年生だったわたしは考えた。こんなに切実で具体的な実践の前で、文学なんてなに? 『死すべき定め』の著者アトゥール・ガワンデも、医学生の頃そう考えたのだろう。「患者と医師」という授業でトルストイの短編「イワン・イリイチの死」を読んだとき、診断がつかないまま治療を続け病状が悪化していく主人公の悩みに共感できなかったという。進んだ医学知識
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