日本が移民をもっと受け入れた場合、私たちの生活はどう変わるのか。青山学院大学国際政治経済学部の友原章典教授が、各国のデータをもとに日本社会の変化を予測した。第1回は「女性の社会進出」について――。(第1回/全3回) 移民が増えると高給女性の勤務時間も増える 日本では、いろいろな分野で人手不足が懸念されているが、その打開策として女性の活躍が提言されている。男女平等なキャリア形成のあり方とも相まって、女性の社会進出が課題となっているが、移民受け入れがその促進に一役買うと期待されている。移民が増えると、女性の家事負担が減り、働きやすくなると考えられているからだ。 ボストン大学のコルテスとチリ・カトリック大学のテサーダによる研究は、こうした見解を支持している(注1)。アメリカにおけるデータを分析した結果、家事代行サービスなどに従事する移民が増えることによって、働く女性の後押しをするというのだ。ただ