「試験管ベビー」といわれた世界初の体外受精児が誕生してから、昨年(2018年)は40年の節目の年でした。体外受精技術をきっかけに、子どもがほしいカップルに福音をもたらす「生殖補助医療技術(assisted reproductive technology=ART)」は長足の進歩を遂げました。ただ、日本では技術が先行する一方で社会制度が追い付かないという現象も起きています。 妊活“ステップアップ”を希望するカップルの質問 「これまでの妊活がうまくいかなかったので、体外受精に挑戦した方がいいのではないかと夫婦で話し合ってきました。ただ、私たち2人とも、体外受精ってどういうものなのか詳しくわかっていないので、最終的な決断の前にきちんと知りたいと思っています」。診察室でそう話したのは、結婚して5年、30代半ばのご夫婦です。結婚当初は「子どもは自然に授かるもの」と思っていたそうです。ところが、4年たっ