1.パラケルススのホムンクルス ヨーロッパには、ラテン語で小さな人を意味するホムンクルス(Homunculus)が、精子や耳の中にいて発生や感覚をつかさどるいう逸話があった。スイスに生まれたパラケルスス(Paracelsus、本名Theophrastus Philippus Aureolus Bombastus Von Hohenheim、1493-1541)は、イタリアのフェラーラ大学医学部を卒業し、その後、スイスのバーゼル大学医学部教授に就任した。しかし、キリスト教を批判したため追放され、その後、完全な生命を生み出すことを目指し錬金術師となった。 彼は、ホムンクルスを作り出したと主張している。その製法は「精液を蒸留器の中に40日間密封すると、人間の形に似たものがあらわれる。さらに人間の血で40週間与え、ウマの胎内に等しい温度に保つとホムンクルスになる。」という奇妙なものであった。 2.