PTGとは PTG(Posttraumatic Growth;心的外傷後成長)は、「トラウマティック」な出来事、すなわち心的外傷をもたらすような非常につらく苦しい出来事をきっかけとした人間としてのこころの成長を指します(Tedeschi & Calhoun, 1996)。約20年前にPTGの研究が始まり、用語の認知度は徐々に高まり、研究も増加してきています。危機をきっかけとした人格的な成長というテーマ自体は新しいものではなく、人類の歴史の中で、困難に遭遇したことで成長を経験した人の報告は数多くなされてきました。1990年代、アメリカを中心にこのようなテーマが「PTG」と名付けられたことで、これまでにはなかったような実証研究が積み重ねられるようになりました。このようなテーマが多く表れてきた背景に、それまでの心理学や医学が、人の「問題になっているところ、足りないところ、負の側面」に特に焦点を当