3.11がまたやって来た。この日をわれわれは決して忘れてはならぬ。丸2年が過ぎたのに、震災と原発被害からの復興は、遅々として進んでいない。福島県人だけでも、まだ15万人以上の人たちが避難生活を続けている。 こうした状況に目をつむって安倍晋三首相は、原発再稼働や原発新設に前のめりの姿勢を崩していない。TPPへの前のめりとともに国民の怨嗟の的になっている。 首相は、原発に前のめりであってはならぬ。原発は麻薬である。ならぬことはならぬ。 原発の麻薬性を、岡田知弘教授などが生き生きと描いている(農文協『脱原発の大義』)。教授は、原発は地域と人間性を破壊する不道徳と反倫理の施設だ、という。 ここには、原発でしか潤うことのできぬ立地地域の疲弊した経済がある。だから、再稼働や新設を望む地域は少なくない。 だが、原発は麻薬である。いちど吸うと止められないし、一度は吸ってみたい、と考えるようだ。しかし、その