<マジックマッシュルームやLSDといった幻覚剤をポジティブに見直す動きがアメリカで出てきたが、その効果を実際に体験してみると......> マイケル・ポーランは、2006年に刊行した『雑食動物のジレンマ(The Omnivore's dilemma)』が料理界のアカデミー賞と呼ばれる「ジェームス・ビアード賞最優秀賞」を受賞し、複数の大手新聞社で「年間ベストブックス」にも選ばれて一躍有名になったノンフィクション作家だ。 『雑食動物のジレンマ』は、「夕ご飯に何を食べよう?」というシンプルな問いかけから始まり、アメリカの食卓にのぼる食品を徹底的に探ったルポ。現代のスーパーではどの季節でも同じ野菜や果物が手に入るし、いわゆる「健康食」もブームだ。しかし、アメリカ人は健康になるより肥満や糖尿病がかえって増えている。 ポーランは、アメリカ人が口にするファストフードやオーガニックフードから工業的農業、有