この記事は、2023年12月22日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。 2023年10月、香川県三豊市が市民向け案内支援サービスへのAI(人工知能)本格導入を取りやめるとリリースを出しました。ごみ出し案内にOpenAIの「ChatGPT」を活用するというプロジェクトですが、実証実験中に正答率が「本格導入決定ラインであった99%」(同市のリリースより)に届かなかったため、断念するということです。先日、この件について三豊市にインタビューを行った記事がITmedia NEWSに掲載されました。興味深い話なので、詳細は記事を読んでいただければと思います。 さて、読後、筆者の心にはどうにももやもやしたものが残りました。理由は幾つかあるのですが、まず出てくるのは、「なぜ99%を目標に据えてしまったのか」という疑問です。リリースによる
Midjourneyの生成画像。12月のアップデートのv6では、写真と変わらないような画像が生成されることが話題となっている。この画像のような世界を動き回れるようになるのだろうか(筆者作成) 画像生成AIサービス「Midjourney」のオフィスアワーがあったのが1月4日。アメリカ時間で1月3日ですかね。オフィスアワーというのは、MidjourneyがDiscord上で月に1回開いて、いろいろユーザー向けに今後どのようにサービスが展開されるのかを説明するミーティングです。その会合に参加していたNick St. Pierreさんの報告によると、Midjourneyのデイヴィッド・ホルツCEOが「2024年末までにホロデッキに到達できる」と話したと言うんですね。「2024 年末までには、リアルタイムのオープンワールドが実現できればと思っています」とも言い、画像生成AIが、単にイラストといった画
Microsoft Copilot Pro「全世界のWindowsユーザーが生成AIを意識せずに、当たり前のツールとして使いこなす未来」- Blog 2024/1/7 Copilot Pro が個人でも利用可能になったので、大まかにCopilotの全体像を理解した上で、操作しながら試してみました。 私はMacユーザーですが、Copilotを検証するために先週からWindowsをメインにしています。WordやPowerPointはまだ慣れていないので、今日は記録のみ掲載。 Copilot ProCopilot Pro パフォーマンスを高速化し、創造性を高める機能を希望するユーザーには、Copilot エクスペリエンスを向上させる Copilot Pro がおすすめです。この月額サブスクリプション製品には、Copilot のすべての機能に加え、次を実現する機能が含まれています。 ・ピーク時でも
2023年は、AIの得手不得手がある程度明確になった1年でした。来年は精進して私の仕事をもっと奪ってほしいものです。 2023年が終わりますね。今年のIT的な話題といえば、やっぱり生成AIです。 2022年後半から画像生成AIが大きな話題になり、同年11月末に「ChatGPT」が登場。「AIが人間の仕事を奪う」などとも言われました。フリーライターの筆者は「いよいよ、自分の仕事がなくなってしまう」とメンタルが不安定になり、カウンセリングでその不安をぶちまけていたぐらいです。 あれから1年。「あの不安は何だったんだろう」と思うぐらい、筆者の仕事は変わっていません。むしろ、生成AIのおかげで楽になったり、楽しくなったり、これまで難しいと思っていた新たな分野に挑戦できたりしています。逆に、「これはAIにもできるかも?」と思った仕事が意外と全然できなくて、びっくりしたりしています。 AIが得意な仕事
AI技術の発展によって、実写と見分けが付かない精巧な画像を作成できるようになりました。しかし、画像生成AIで作成した精巧な画像は偽情報の拡散に用いられる可能性があるため、画像生成AIによって生成した画像とカメラで撮影した本物の写真を正確に見分ける技術の開発が求められています。新たに、キヤノン・ニコン・ソニーといったカメラメーカーが写真に「実写であることを証明するデジタル署名」を埋め込む技術を開発していることが報じられています。 ニコンやソニー、「AI偽画像」防ぐカメラ 電子署名で - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC21C520R21C23A2000000/ Nikon, Sony and Canon fight AI fakes with new camera tech - Nikkei Asia https://asia.ni
by Solen Feyissa 中国の大手IT企業であるByteDanceは以前、ユーザーの好みにピッタリな動画を見つけるTikTokのアルゴリズムで世界的なAIのリーディングカンパニーとなりましたが、OpenAIの台頭により生成AIの分野で後れを取っています。独自の生成AI「豆包(Doubao)」で巻き返しを図るByteDanceが、利用規約に違反する形でOpenAIのAPIを使用し、「Project Seed」という名称で大規模言語モデル(LLM)を開発していたことが内部文書から明らかになったと、IT系ニュースサイトのThe Vergeが報じました。 ByteDance is secretly using OpenAI’s tech to build a competitor - The Verge https://www.theverge.com/2023/12/15/240031
2023年12月6日に発表されたAMDのAI特化型チップ「MI300X」は、NVIDIA製AI特化型チップ「H100」と比べて優れた性能を発揮できることがアピールされています。一方でNVIDIAはMI300XとH100の比較の際のテスト環境が同一ではなかったと主張しました。そこでAMDはNVIDIAの指摘に対する検証を行いました。 AMD strikes back at Nvidia with new MI300X benchmarks — MI300X shows 30% higher performance than H100, even with an optimized software stack | Tom's Hardware https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/amd-strikes-back-at-nvidia-
Stability AIが画像生成AI「Stable Diffusion」を公開したのは2022年8月のこと。すさまじい勢いで発展してきた画像生成AIの1年を振り返ってみようと思います。 初めに見てもらいたいのは「これが無料でいいのか!? “爆速生成AI”がペイントソフトに革命を起こした」で紹介した、KritaとGenerative AI for Kritaを組み合わせて作成した設定資料的な画像です。 キャラクターの3面図のサンプル。Vroidで簡単な3Dで当たり(左)として、右の画像を作成する。それを元に、プロンプトや画像に描き込んだりして、最終画像を作成していく。2枚目には前面図の頭部のカチューシャや、胸部分のフリルがなかったりするが、そこに色を加筆して、プロンプトで指示すると、最終画像にそれが追加されるのをリアルタイムに確認しながら修正できる(筆者作成) Stable Diffusi
TenstorrentのCEO(最高経営責任者)であるJim Keller氏は2023年11月、Rapidusとの提携を結ぶ署名式でスピーチを行い「われわれはRapidusとの初めての会合の時に、とてもエキサイティングな話を聞いた。同社は、新技術開発のイテレーションを高速化し、量産よりも、手持ちの製品のテープアウトを最優先したいというのだ。非常に良い注目点だと思う」と述べた。 日本国内に「CPU/研究開発チーム」を設立予定 TenstorrentにとってRapidusとの契約は、アジアの半導体メーカーとの公的な提携としては4件目となる。Rapidusは、LG Electronicsや、韓国の車載用SoC(System on Chip)メーカーであるBOS SemiconductorともIP(Intellectual Property)ライセンス契約を締結している。またHyundaiは、同社
Generative AI for Kritaのライブペインティング機能を実行している画面。左が筆者が描いた落書き。右が、その画像を線画(Scribble)としてAI生成した画像 11月13日掲載の記事「爆速化する画像生成AI」で紹介した新技術「Latent Consistency Models(LCM)」が大爆発しています。これは画像生成AIに2度目の革命を起こした「ControlNet」に次ぐ大インパクトではないかと感じています。「LCM-LoRA」(LoRAはStable Diffusion用の追加学習モデル)が11月下旬に登場したことで、リアルタイム生成のAI機能を組み入れたサービスやアプリの開発が一気に進みました。 なかでも、筆者にとってインパクトが大きかったのが、ペイントソフト「Krita」向けに開発された「Generative AI for Krita」。Kritaはスウェー
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