テレビのバラエティー番組をめったに見ないので、お笑いコンビ「次長課長」の河本準一って誰、と同僚に聞いて笑われたが、芸名通り普通のサラリーマンのような受け答えだった。「年収5000万円なのに母親が生活保護を受けている」と週刊誌に書かれたのをきっかけにバッシングされ、きのう記者会見を開いていたが、どうせなら笑いの一つもとってほしかった。 ▼芸の道は昔も今も厳しい。河本さんも駆け出しの頃は年収100万円以下の貧乏暮らしにあえいでいたそうだ。一発あててもすぐ忘れ去られるタレントは数知れず、病気をしても会社が面倒を見てくれるわけでもない。 ▼その代わり、成功すればサラリーマンの生涯賃金をあっという間に稼げる。一昔前までは、スターになると親のために立派な家を建てるのが当たり前だった。彼の所属する吉本興業は新人育成に熱心だが、親孝行の大切さをまずたたき込んではどうか。 ▼笑えない「河本劇場」の一幕だった