本に関するtaniminaのブックマーク (49)

  • 『シベリア出兵』 - Apeman’s diary

    麻田雅文、『シベリア出兵―近代日の忘れられた七年戦争』、中公新書 日の近代史に占める重要性に比して知られることの少ないシベリア出兵についての、近年の研究成果が新書で紹介される意義はきわめて大きいものと思われる。終章で著者が指摘している日中戦争との類似性(と相違)は非常に示唆的で、私自身もシベリア出兵への関心を新たにした。 ただ、「当時の日人すべてを断罪するような勧善懲悪の史観では、歴史の一面を照らすだけである」(249ページ)などという主張はかなり違和感がある。「当時の日」のすべてを美化しようとする政治運動は猖獗を極めているのに対して、「当時の日人すべてを断罪するような勧善懲悪の史観」なんてどこでお目にかかれるのだろうか? 著者は1980年代生まれとのことだが、この世代の近現代史研究者にこんな藁人形が刷り込まれているのだとするとちょっと今後が心配である。 なお、当ブログのシベリア

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  • 麻田雅文『シベリア出兵』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    10月21 麻田雅文『シベリア出兵』(中公新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 多くの人にとってシベリア出兵についての知識というのは、「これがきっかけで米騒動が起きて、日は他国が撤兵した後も派兵を続けたが特に得るものはなかった」といった程度のものではないでしょうか。少し詳しい人ならば尼港事件のことなどを知っていると思いますが、シベリア出兵が具体的にどのように展開し、どう終結したのかをきちんと説明できる人は少ないと思います。このは、そんなシベリア出兵の全貌を教えてくれるです。 著者の前著の『満蒙』(講談社選書メチエ)が、「ロシア側から見た満蒙の歴史」という感じだったので、今回もロシア側からの視点が中心かと思いましたが、むしろ日側の動きを重点的に追いながら、ロシアや国際社会の動きにも目を配る構成になっており、シベリア出兵とそれにまつわる動きが総合的に分析されています。 シベリア出兵に

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    tanimina 2017/03/23
  • 印象深い確率論の本と伊藤清著「確率論」幻の1953年版 - researchmap

    確率論のは和書も洋書もいろいろなタイプのものが出版されています。それらは、大きく分ければ、測度論に基づいたものと、そうでないものに分類できます。たとえば、当然のことですが、大学初年級用の確率論のは測度論を使っていません。しかしながら、最近は経済学でも Ito calculus が使われるなど、確率論を道具として使う人も測度論的な確率論を無視することはできなくなっているようです。 今日は、測度論的な確率論のについて、個人的な出会いも織り交ぜて書こうと思います。 【コルモゴロフの「基礎概念」】 言うまでもないことですが、測度論に基づいた確率論は A. コルモゴロフによって創始されました。その理論を整え普及させたのがコルモゴロフ著『確率論の基礎概念』です。初版はドイツ語で出版されたそうですが、日ではロシア語第三版の訳書が驚くべきことに文庫で出版されています。(こんなことをするのは日だけ

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  • ディーバーな関数論.笠原乾吉著『複素解析』(ちくま学芸文庫) - researchmap

    ちくま学芸文庫からさまざまな数学書が文庫化されていることは今更ここで言うまでもないことですが,今月,また新たに一冊加わりました. 笠原乾吉著『複素解析 1変数解析関数』. 今回も期待を裏切らない渋い選択です.書はもともと実教出版から1978年に出版されたもので,私も学生時代お世話になりました. 【ヘルマンダリズムと書】 かつて故倉田令二朗氏は数学セミナーでの伝説的な連載『多変数複素関数論を学ぶ』(1977-78)において,L. ヘルマンダーの多変数複素解析の方法を「ヘルマンダリズム」と呼びました.笠原著『複素解析』はそのヘルマンダリズムの雰囲気を醸し出している入門書と言えるでしょう.ヘルマンダリズムというのは,岡潔氏の仕事を非斉次コーシー・リーマン方程式という連立偏微分方程式を解くことに帰着させる主義を意味するものです.書でも第5章では1変数のクザンの加法的問題が非斉次コーシー・リー

  • 『黒死館殺人事件』を読もう

    『黒死館殺人事件』も同様の麻薬でした。高校生の夏休み、何と面白いのだろうと読み耽ったことを思いだします。 北村薫「ミステリー通になるための100冊(日編)」 ――今まで読んできた中で、一番印象に残っている作品は何ですか? 麻耶 『黒死館殺人事件』です。無茶苦茶な話なんですけど、無茶苦茶なりに筋の通った無茶苦茶さが面白かったです。 麻耶雄嵩先生インタヴュー 作家になる前後のころ、夢野久作や小栗虫太郎、久生十蘭なんかをずいぶんと読んだんです。彼らの文章の無駄なまでの過剰性は素晴らしい、これが小説の面白さかもしれないなと思ったんですね。『黒死館殺人事件』なんて、話としては何がなんだかわからないんだけど、やはり言葉がいいというか、言葉に力がある。 奥泉光『モーダルな事象』奥泉光スペシャル・インタヴュー 『黒死館殺人事件』は、私の感じからいえば格ではないが、なぜそうなのかを考えるとわからなくなっ

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  • 戸田山和久『恐怖の哲学』(NHK出版新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    2月22 戸田山和久『恐怖の哲学』(NHK出版新書) 8点 カテゴリ:思想・心理8点 サブタイトルは「ホラーで人間を読む」。ホラー映画を題材としながら、「恐怖の機能」、「恐怖の正体」、そして「ホラーを楽しむということ」を徹底的に掘り下げようとしています。 著者が「まえがき」で「恐怖は意外にも哲学の主題になってこなかった」(16p)と書くように、「笑い」や「愛」などに比べると「恐怖」を論じた哲学は少ないはずです。ただ、その理由は想像しやすいもので、「笑いや愛といったはものは人間独自のものだが、恐怖は他の動物にもあるものだから」といったものがあがるでしょう。 しかし、実はそこが著者の狙い目でもあります。著者は「あとがき」の最後の部分で次のように書いています。 さて、文の最後で書いたとおり、哲学は生物学や脳科学とシームレスでつながるべきだ。魂があるから、理性があるから、言語があるから、人間は特

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    tanimina 2016/03/15
  • Lispの壁の高さ - 再帰の反復blog

    『文學界』10月号に載っている円城塔「プロローグ」第6回で少しだけLispやSchemeやGaucheについての話題になっていた。小説でGaucheへの言及があるのは他は木雅彦『くあっどぴゅあ』だけだろうか。 Lispの処理系を入れたが、対話環境を触っても釈然とせず、エディタとしてEmacsを使うことにして……みたいな流れ。 このあたりまででもう、LISPに興味を持ったかも知れない人の九割九分を振り落とすだろう壁の高さだ。 LispでもSchemeでも、処理系を起動したときの対話環境に、ほぼ何の入力支援機能も備わっていないのはなぜなのだろう。 rlwrap相当の入力支援がデフォルトで付いていても良いと思うのだけど、そうなっている様子は無いし(ひょっとすると知らないだけでそういう処理系もそれなりにあるのか?)、処理系の起動時のメッセージを見てもマニュアルを見ても、「素の状態での入力は大変で

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    tanimina
    tanimina 2014/09/10
    cf http://chaton.practical-scheme.net/gauche/a/2014/09/10 >>えんどう # PLT Scheme改めRacketとかじゃだめなのかなあ>お試し用途<< からの会話
  • なつこんアンソロジー「夏色の想像力」

    こんにちは。 気圧が下がると眠くてたまらないブログ担当です。 台風が過ぎるまでは眠くて眠くて、なつこんの仕事が全然進みません。すみません、言い訳です。 さて、今回はなつこんが自信を持ってお送りするSF短篇集、なつこんアンソロジー「夏色の想像力」と、その企画についてご紹介します。 「夏色の想像力」は、プロ作家17名によるバラエティ豊かな新作SFが22編も入った文庫サイズの同人誌。 豪華な執筆陣に加え、600ページを軽く超えた聖書のように分厚いアンソロジーです。すごいでしょう? その迫力を知ったプロの方々から「どうかしている」、「同人誌のやることじゃない」、「プロの仕事を奪うな」などの温かいお言葉を頂いております。 ◆なつこんアンソロジー「夏色の想像力」◆ 執筆陣: ・瀬名 秀明 ・山田 正紀 ・堀 晃 ・飛 浩隆 ・円城 塔 ・宮内 悠介 ・酉島 伝法 ・藤井 太洋 ・北原 尚彦 ・三島 浩

    なつこんアンソロジー「夏色の想像力」
  • 「日本人が書いた中国史」が現地で大人気 その理由は | AERA dot. (アエラドット)

    講談社の100週年記念事業として出版された『中国歴史』。「第三者」の視点が評価され、日以上の反響を中国で起こしている(写真:講談社提供)この記事の写真をすべて見る 「歴史」が日中のいさかいの原因になって久しい。両国関係の冷え込みも続く。ところが、日人が書いた中国史の翻訳が、なぜか中国で売れ行き好調だ。 10年ほど前に日で刊行された『中国歴史』(講談社)という骨太のシリーズ。中国で翻訳出版されたところ、執筆者や出版社がびっくりするほどの売れ行きを見せている。 同シリーズは全12巻。筆者は原則、時代ごとに専門家1人が1巻を担当。例えば8巻は『疾駆する草原の征服者―遼 西夏金 元』といったように従来の通史にない魅力的なタイトルをつけた。ただ、日では1冊3千円近い価格ということもあり、実売は各巻平均で1.5万部程度だった。 一方、中国版の出版元によれば、1冊50 人民元(約820円)

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  • 公開対談 辻村深月×円城 塔<br />小説で“事件”を描くとは 第150回記念芥川賞&直木賞FESTIVAL(別册文藝春秋 2014年7月号より) | インタビューほか - 文藝春秋BOOKS

    第150回を迎えた芥川賞・直木賞を記念して行われたフェスティバルでスペシャル対談が実現! 小説家はいかにして「事件」と向き合い「事件」を描くのか? フィクションの新たな魅力を発見する 辻村深月×円城 塔 白熱討論 選考会の日に届いたメール ――まず、それぞれのご受賞当時の思い出からお聞かせいただけたらと思います。 円城 僕が受賞したのは、3回目の候補の時だったんです。芥川賞って、候補になるとすごく疲れるんですよ。それで選考会のちょっと前に発熱して、倒れてました(笑)。当日は、とくに待ち会もしないで、ホテルで寝てましたね。体調が悪いので少し横になったら格的に寝ちゃって、選考会が始まってから「ああっ」と起きたほどで。 辻村 受賞が決まった後の記者会見は大丈夫だったんですか? 円城 熱は下がってたけど、だるかった。だから、かなりナチュラルな感じで「起きてそのまま来ました」みたいな会見になりまし

    公開対談 辻村深月×円城 塔<br />小説で“事件”を描くとは 第150回記念芥川賞&直木賞FESTIVAL(別册文藝春秋 2014年7月号より) | インタビューほか - 文藝春秋BOOKS
  • 【短編ミステリ・オールタイムベストアンケート】国内編

    松井和翠 @WasuiMatui2014 【短編ミステリ・オールタイムベストアンケート】(国内編)の投票は只今をもちまして終了いたしました。総勢174名の方々に投票していただき、投票された作品数は826編でした。 #ATB短編 2014-06-07 00:03:02

    【短編ミステリ・オールタイムベストアンケート】国内編
  • S-Fマガジン 2014 オールタイム・ベストSF

    曽根卓 @sonesuguru オールタイムベスト国内短編部門を見て実感したこと。入手難マークにだいぶ間違いがあることは先に述べたが、では実際に入手難の短編が50位以内にどの位あるかというと、「梅田地下オデッセイ」(ただし掘晃HPで読める)、「一人で歩いていった」の二のみ。 2014-05-24 17:47:31 曽根卓 @sonesuguru 「結晶星団」収録の小松左京全集完全版がややマイナー版元だというのと、「太陽風交点」収録の『遺跡の声』(2007年)がギリギリ入手可? というの以外は、基、現在たやすく手に入るに収録されている。しかも九割方、文庫で読める。 2014-05-24 17:50:08

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  • トピックス|「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」(2014年11月刊行開始)収録内容発表! | 河出書房新社

    お知らせ2014.05.16 「池澤夏樹=個人編集 日文学全集」(2014年11月刊行開始)収録内容発表!

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  • 円城塔が本の雑誌の連載「書籍化までn光年」で取り上げた本のリスト

    http://anond.hatelabo.jp/20140421200127 書籍化まで7光年 (2009年) アンドルー・クルミー 『ミスター・ミー』    「『ミスター・ミー』とドップラー効果の恋愛小説」ポール・オースター 『幻影の書』    「オースター百%の『幻影の書』とのスカート」ピエール・バイヤール 『読んでいないについて堂々と語る方法』    「読んでいないを語る方法と「特性のない」」ジョン・クロウリー 『エンジン・サマー』    「言葉の"ずれ"と物騒な」浅暮三文 『ぽんこつ喜劇』    「ひよことサクラと実験小説」 シュボーン・ロバーツ 『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』    「迷走と眩惑の理学系タイトルの謎」David Flanagan 『プログラミング言語 Ruby』    「プログラミング言語と小説屋」ジャック・ルーボー 『麗しのオルタンス』   

    円城塔が本の雑誌の連載「書籍化までn光年」で取り上げた本のリスト
  • 図書カード使い放題?!|誕生日や記念日、母の日や父の日、クリスマス、お年玉などの季節の贈り物、お祝い、お礼、お返し、ご挨拶に。| 図書カードNEXT

    もし手元に自由に使える3万円の図書カードNEXTがあったら、あなたならどんなを買いますか? このコーナーでは、そんな夢のような話を作家さんに体験していただき、どんなを選んだかを大公開! 図書カードNEXTでを選ぶ楽しみをあなたも疑似体験してください。 旅のついでに・・・ <プロフィール> 1972年北海道生まれ。 2007年、短編「オブ・ザ・ベースボール」で第104回文學界新人賞を受賞。同作品で第137回芥川賞候補となる。同年、『Self-Reference ENGINE』で単行デビュー。2010年、『烏有此譚』(講談社)で第23回三島由紀夫賞候補、第32回野間文芸新人賞受賞。 旅行中にも当たり前のようにを買ってしまう難儀な人というのがあって、自分もそうです。これが読んだ端から捨てたり交換して歩くなら、バックパッカーのような気軽さが漂いますが、結局持って歩きます。ついては、に重

    図書カード使い放題?!|誕生日や記念日、母の日や父の日、クリスマス、お年玉などの季節の贈り物、お祝い、お礼、お返し、ご挨拶に。| 図書カードNEXT
  • ミステリの基礎知識:新本格ミステリって何? - あざなえるなわのごとし

    ・好きなミステリ小説を紹介するので面白いミステリ小説を教えてほしい - Mokosoft開発者ブログ そんなわけで、自分の好きなミステリ小説を紹介して、傾向をばらしていくので、見知らぬ人が「そんなあなたにはこれ!」と面白い小説を教えてくれることを期待してみたいと思います。 作家単位でまとめていきます。 んー。 んー。 んー。 我孫子武丸の評価が低すぎるやん。 ということで我孫子武丸氏について書こうかと思ったんですが、それ以前に 「新格ってそもそも何?」 から始めてミステリの基礎をざっくり語ってみるのも面白いかな、というミステリ語り第一部。 ミス板を覗くような方々にはどれも普通のことなんですが、こういう流れを知らないひともいまどきは多そうなので記事にしてみます。 ※新格ミステリ初心者向け、軽いものなのでミス板常連お断り 【スポンサーリンク】 新格ミステリとはなんぞや? 今でこそよく「新

    ミステリの基礎知識:新本格ミステリって何? - あざなえるなわのごとし
    tanimina
    tanimina 2014/04/24
    cf. 「ミステリの基礎知識:新本格ミステリって何?」についてコメント http://anond.hatelabo.jp/20140424032726
  • SFをもっと楽しむための科学ノンフィクションはこれだ! - 基本読書

    記事名そのまま。SFが好きなのに科学ノンフィクションを読んでない人をみると「現代の最先端科学なんて、どれもほとんどSFでめちゃくちゃ面白いのにもったいない!」と思う。こんなことを考えたのも昨日、オービタルクラウドを最近出したばかりのSFジャンルをメインに執筆している藤井太洋さんのASCII.jp:ITとともに生まれた産業革命に匹敵する質的な方法論 (1/4)|遠藤諭の『デジタルの、これからを聞く』 こんなインタビュー記事を読んだからだ。 藤井さんはデビュー作であるGene Mapperを含め、現代で可能な科学技術の延長線上に起こりえる地続きの未来描写が特徴的で、「今・ここにある技術の凄さ」が感じられるところが毎回凄いんだよなあとこれを読んでいて思い返していた。またそこで使われているアイディアは現代でもそのまま使えるものが多いし。技術的には現実が既にSFなのだ。 透明マントだって現実化して

    SFをもっと楽しむための科学ノンフィクションはこれだ! - 基本読書
    tanimina
    tanimina 2014/04/23
    cf. 円城塔をもっと楽しむためのノンフィクションはこれだ! http://anond.hatelabo.jp/20140421200127
  • 円城塔をもっと楽しむためのノンフィクションはこれだ!

    SFをもっと楽しむための科学ノンフィクションはこれだ! http://d.hatena.ne.jp/huyukiitoichi/20140417/1397744529 を受けて10冊選んでみました。 「『現実とはなにか』という認識が変わっていく」ようなはありません。 言語ウンベルト・エーコ『完全言語の探求』 Federico Biancuzzi、Shane Warden 編『言語設計者たちが考えること』ヨーロッパにおける完全言語を求める歴史を扱った『完全言語の探求』と多くのプログラミング言語設計者へのインタビューをまとめた『言語設計者たちが考えること』は、あまり読者が重なっていない気がしますが、円城塔をきっかけにして両方読んでみるのもいいのではないでしょうか。 「つぎの著者につづく」(『オブ・ザ・ベースボール』収録)の冒頭で語られるエピソードが『完全言語の探求』から引いたものであることは

    円城塔をもっと楽しむためのノンフィクションはこれだ!
  • 西村京太郎氏の1978~83年/巨匠の知られざる転換期 by 小林史佳氏

    優しさと哀しみに満ちた社会派作品『四つの終止符』『天使の傷痕』によって世に出、新格ミステリの先取りとしか思えない奇想の傑作『殺しの双曲線』『七人の証人』、さらには洒脱きわまりないパスティーシュ《名探偵》シリーズなどで、今も後進にリスペクトを受け続ける西村京太郎氏。 そんな氏の転換点が1978年の『寝台特急殺人事件』にあることは誰も知ることですが、それまでのマニアックでテクニカルな作風から、百万大衆を相手にするトラベル・ミステリー作家への変身は一気になされたものなのか。 この点にほぼ初めてと言っていい疑問を突きつけたのが、小林史佳さん @miu_pal です。これまで一塊のものとしてとらえられがちだった『寝台特急』以後の最初の数年間を、それ以降現在に至るまでの作風に転換する稀有な準備・実験期間としてとらえた論考をぜひごらんください。

    西村京太郎氏の1978~83年/巨匠の知られざる転換期 by 小林史佳氏