去る9月19日、ノーベル賞作家の大江健三郎氏などの呼びかけで、全国で6万人規模(主催者側発表)の反原発デモが行われました。デモは3月11日の地震と津波により引き起こされた福島第一原子力発電所事故以来、最大規模のものでした。 しかし、関係者が盛り上がりを強調するのと反対に原発全廃の動きは急速に力を失ってきています。野田首相はデモの翌日ウォールストリートジャーナル紙のインタビューに答えて、検査のために停止中の原発の再稼働を行う意向を示しました。 無責任な原発事故の風評被害への非難も起きています。愛知県日進市で福島県産の花火の使用を「市民」の抗議によって取りやめたことには、日頃原発や放射能被害に厳しい姿勢をとる朝日新聞も「風評被害」として、放射能の危険への過剰反応を警告しました。 これは事故から時間が経つにつれ人々の原発に対する恐怖心や抵抗感が薄くなってきたことが大きな理由でしょう。福島第一原発