小川敏夫前法務大臣が、6月4日の退任会見で、虚偽報告書作成問題に関して、「指揮権の発動を決意したが、野田佳彦首相の了承を得られなかった」ことを明らかにした(朝日)。 多くの記事では「指揮権発動相談」と表現しているが、小川氏は「相談」などという言葉は使っていないし、検事総長に対する指揮権は法相の固有の権限であり、権限行使に関して総理大臣に「相談」すべきことではない。「了承」が得られなかったという朝日新聞の表現が正しい。 とは言え、小川氏が指揮権の「発動」という言葉を使い、それについて野田総理に「了承」を求めたことは事実である。虚偽報告書作成問題について検察の判断だけに委ねておいて良いのか、という問題提起としては評価できるが、この「発動」と「了承」に関しては、法相指揮権の本来の在り方にも関連する大きな問題がある。 検察庁法14条は「法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察
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