風采上がらぬ出で立ちのコロンボが、エリートの犯人にしつこくつきまといながら徐々に追い詰めていく様が痛快なミステリードラマは、日本でも1972年からシリーズ放送が始まり、度々再放送もされてきた。 その人気に一役買っていたのが、性格俳優・小池朝雄による絶妙なる吹き替え。 「ウチのかみさんが・・・」という決まり文句も、原語ではただ「My wife」と味もそっけもないものだったから、日本語版脚本のオリジナリティ、日本語というものの表現力の裾野の広さが作品を際立たせたとも言えるだろう。 同じ作品を英語版で見ると、全く別の作品と思えてくるほど雰囲気が違うのである。そんなこともあって、小池が1985年に急逝した後を継いだ石田太郎は、雰囲気を壊さぬよう大変な苦労をしたという。 この吹き替えという作業は世界中で行われているが、ロシアをはじめとした旧東側諸国では原語音声が流れる上に単純に自国語を被せる方式、つ