英語一強時代、日本語は生き残るか(『中央公論』8月号) ■ 作家 水村 美苗 「言語の植民地化に、日本ほど無自覚な国はない」 作家の水村美苗氏はインタビューで、世界的に「英語覇権」が強まる中、日本ほど「言語の植民地化」に対して無自覚な国はない、と警鐘を鳴らした。水村氏は2008年に『日本語が亡びるとき』を出版し、日本語が将来「国語」の地位から転落し〝英語の世紀″における一つの「現地語」と化すのではないかと問題を投げかけて、大きな反響を呼んだ。 水村氏は今回のインタビューでも、日本語について「非西洋圏でここまで機能している言語を国語として持っている国は本当に珍しい」としながらも、「自国語が植民地化を免れたことに日本ほど自覚を持たない国も、自国語が滅びることに危機感を持たない国も珍しい」と改めて強調した。水村氏は、自国の言語は国家政策に大きく影響されると指摘し、千年以上も前に現地語(日本語)で