教科書的な現代日本文には出現しない、「あ゛」「い゛」「う゛」「え゛」「お゛」など濁点つきの仮名文字。その一バリエーションに、「ま゛」といふパターンがあり、横山光輝原作のSFロボット特撮『ジャイアントロボ』が発する声を表すものとして定着してゐる。 ウェブの素人QA系情報では、この《ジャイアントロボの「ま゛」》に関して下記三作品(または三作品のうち「パイレーツ」と「軽シン」の二作品)が言及されるお約束になってゐる模様なんだども、裏付けのない不正確な話が繰り返されてゐる。 江口寿史『すすめ!!パイレーツ』 たがみよしひさ『軽井沢シンドローム』 細野不二彦『あどりぶシネ倶楽部』 まずはじめに再確認しておきたいのは、「天才」江口が描いたのは「ま゛」ではないといふ事実だ。 ジャプコミックス版の第6巻「翼なき野郎どもの巻」(JC336、雑誌43014-93、1980年5月15日初版第一刷発行)冒頭に収録