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デジタル放送のメリットとして、放送開始当初は高画質だの双方向などいろいろ言われてきたわけだが、実際に視聴者が受ける恩恵で最も大きいのは、いわゆる「ハイビジョン化」であろう。今ではデジタル放送対応テレビといえば、ハイビジョンが映るもの、と相場が決まっている。 細かい話をすれば、広く言われているこの「ハイビジョン」という言葉は、実は正確ではない。もともとこれはNHKが開発したアナログ高精細テレビ方式の通称であって、いわゆる現在のHDTV放送とは、解像度の定義なども全然違うのである。 だが日本では既に1980年代末からこのハイビジョンという言葉が親しまれていたため、「高精細テレビといえばハイビジョン」ということで、現在に至っている。現在デジタルハイビジョン放送と言われている方式は、国際的にも技術的にもHDTVと呼ぶのが正しい。だがまあそんなことは我々映像のプロだけが知っていれば済むことなので、一
今年の11月15日、あまりメディアでは取り上げられていないが、放送と著作権に関連したある重要な判決が下された。いわゆる「録画ネット裁判」である。今回はこの判決が示す意味合いのようなことを考慮しながら、放送とITの関係を考えてみたい。 まず「録画ネット」が何なのか知らない人、あるいは名前は聞いたことがあるが忘れちゃった人のために、簡単におさらいしておこう。 「録画ネット」とは、簡潔にまとめるならば、海外からPCとインターネットを使って、日本に置いてあるテレビパソコンで録画した番組を見る、というサービス(http://www.6ga.net/)である。このサービスを運営するのは、有限会社エフエービジョンという会社だが、ここでは「録画ネットを運営する会社」という意味も含めて、便宜上「録画ネット」と呼ぶことにする。 事の発端は、この録画ネットに対して2004年7月30日に、NHKと在京民放5局から
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