筆者は2008年10月23日に、「『20年バブル』崩壊」と題したリポートを作成。「20年バブル」とでも呼ぶべき一つの時代が終焉を迎えたことで、市場参加者が重視すべき6つのポイントを提示した。それからほぼ1年半が経過した現在、それぞれのポイントはどのような状況になっているのだろうか。ここでコメントを加えておきたい。 (1)グローバリゼーションおよび証券化を通じて世界中にリスクが拡散しており、「集中治療」が困難であるため、今回の金融危機・信用不安は早期解消とはならず、長期化・拡大・深化する可能性が高い。 → 金融面の爆発的とも形容された危機状況は、各国が協調しての「政策総動員」措置によって沈静し、金融市場は落ち着きを取り戻した。だが、金融危機が完全に「鎮火」したとまでは言えない。例えば、米国の地方銀行の破綻。米連邦預金保険公社(FDIC)は4月16日、8つの地方銀行が新たに破綻したことを明らか