普天間基地の移設問題で、在日米軍の存在が再び問われている。沖縄での犯罪や事故といった問題のみがクローズアップされてきた在日米軍だが、彼らの勤務実態や日々の生活はあまり伝えられない。米軍再編交渉を目前にした2005年春、海兵隊の野営訓練から米空軍F15戦闘機飛行訓練まで、本誌記者が4か月に渡る密着取材で見た在日米軍の本当の姿とは──。 沖縄市の嘉手納空軍基地は、基地自体が一つの都市を成している。アメリカ郊外の完璧なレプリカといっていい。面積は東京都千代田区のほぼ2倍。アメリカ風の名称がつけられた道路を、迷彩服の歩行者が行き交う。祖国を離れた米軍兵士にとって、第2の故郷のような場所だ。 居住エリアに足を踏み入れれば、芝生の前庭を備えた家がずらり。小さな子供がすべり台や3輪車で遊び、少年たちは父親とフットボールを投げ合う。母親たちは遊ぶわが子を横目で見ながら、おしゃべりに熱中している。 基地内に