関東大手私鉄の京成電鉄は今年8月から、茨城県南部の鉄道や路線バスを運営している関東鉄道に対し株式公開買い付け(TOB)を実施した。その結果、株式保有率(京成子会社の保有分も含む)は過半数超えの56.46%に上昇。関東鉄道は10月8日付で京成の連結子会社になった。 東京都心と千葉を結ぶ鉄道路線を運営し、今では成田空港アクセス特急「スカイライナー」のイメージも強い京成だが、千葉県に隣接する茨城県にも古くから進出している。関東鉄道にしても、TOB実施前から京成が約3割の株式を保有する筆頭株主だった。 茨城の名峰を目指す 京成が茨城へ本格的に進出したのは戦後のことだが、その背景には戦前に計画された、東京と茨城の名峰・筑波山を結ぶ私鉄「筑波高速度電気鉄道」(筑波高速)の存在があったといえる。京成のターミナルである京成上野駅も、筑波高速の名残だ。 筑波高速は大正末期の1923年4月、東京の有力者で構成